クリエイトS・D が横須賀に出した地域密着型生鮮フード&ドラッグの実力とは
神奈川県を中心に1都7県でドラッグストア(DgS)約700店を展開するクリエイトSDホールディングス(神奈川県/廣瀨泰三社長:以下、クリエイトSD)。近年、一部店舗で生鮮食品をフルラインで扱うなどフード&ドラッグを強く志向するDgSの1つだ。今年4月にオープンした「クリエイトS・D横須賀湘南池上店」(神奈川県横須賀市:以下、横須賀湘南池上店)では地場の生鮮テナントを導入し、ローカライズした食品MD(商品政策)にチャレンジする。同店の売場とMDに迫った。
調査日=2023年6月3日、13日 ※文中の価格は本体価格
地場のテナントを介し、生鮮をフルライン展開
横須賀湘南池上店は、横浜横須賀道路「横須賀IC」から南東に約1.5㎞、横須賀市内中心部からは2㎞ほどの場所にある。周辺は起伏のある丘陵地帯で、戸建てを中心に住宅街が広がるエリアだ。
道路を挟んだ斜向かいには「京急ストア湘南池上店」があるほか、450m南にはヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)傘下で神奈川県を中心にディスカウント型食品スーパー(SM)を展開するエイヴイ(神奈川県/八塩直之社長)の「エイビイ平作店」がある。
こうした競争環境のもと横須賀湘南池上店は、これまでクリエイトSDが出店してきた生鮮導入フォーマットをさらにブラッシュアップし、競合するSMに十分対抗できるような店づくりを志向しているようだ。
同店の売場面積は約600坪(歩測)で、食品と非食品でほぼ二分する。入口から入ると非食品売場から始まり、主通路を奥に進むと食品売場が展開されるレイアウトとなっている。食品は生鮮と日配品で約150坪、食品部門に占める売場スペース構成比は62%と、SMと遜色ないバランスだ。
さらに特筆すべきは生鮮の運営スタイルで、青果と精肉はコーシン(三留晃社長)、鮮魚は長井水産(嘉山定晃社長)、総菜はベジッシュ(宍戸和信社長)がテナントとして出店。いずれも横須賀市内に本部を置く企業で、地域密着型の生鮮MDが導入されている。フード&ドラッグの店舗で、地場のテナントを介して生鮮がフルラインで展開される例は少なく、横須賀湘南池上店はその点できわめて特徴的な店舗である。
「三浦産」を訴求する青果と精肉
それでは、生鮮を中心に売場を詳しく見ていこう。
まず、約30坪の青果売場は「KOSHIN FARM」の屋号で展開。壁面32尺の冷蔵ケースでは果実やレタス、白菜、ねぎなどを販売するほか、主通路上に