多種多様な加盟店が参加しやすく売上が連動するコンテストにメリットあり=全日本食品
全日本食品(東京都/平野実社長)は、全国約1600店が加盟する国内最大規模のボランタリーチェーン「全日食チェーン」を運営。加盟店は、地域のスーパーや個人商店などさまざまであり、それらの店舗業務を幅広くサポートしている。その中で、売上アップの施策として積極的に活用しているのがコンテストである。
加盟店の活性化策としてインナーのコンテストを実施

全日本食品は、商品調達から売場づくり、データに基づいた各種施策など、さまざまな事業支援を全国の加盟店へ行っている。その企画の1つとして、5~6年前から取り組み始めたのが、メーカーと取り組むインナーのディスプレイコンテストである。チェーンであることから、メーカーの協力が得やすい施策であった。さらに、加盟店の売上確保にも貢献でき、コンテストのメリットとして、各店舗のスタッフの陳列技術向上やモチベーションアップにも役立つなど、波及効果も大きく、恒例の販促企画となっていった。
同社常務取締役IT・マーケティング本部長の宇田川貴志氏は「当初は、100店舗ほどの参加で始まったコンテストですが、実施を重ねるごとに参加店が増えていきました。積み重ねた売場事例を加盟店に共有したことで、スペースが必要な大陳でなくても、陳列技術やオリジナリティーを発揮すれば結果を出せる売場がつくれる。そう考えた加盟店が『自分たちでもできる!』と参加してくれたことが、最大の効果だと思っています」と語ってくれた。

インナーコンテストが軌道に乗ってきたことで、売場を見ていた多くのメーカーからコンテスト参加を要請されるようになった。「加盟店の多くが、売場づくりに積極的に取り組み、コンテストに参加できる十分な実力を備えてきたことから、全国規模のディスプレイコンテストに挑戦して、さらにノウハウや技術などを高める時期にあると考えました。同時に、コロナ禍での販促企画としての利用価値が高いと判断しました」と宇田川氏。全国規模のコンテストへの参加を始めたのが、コロナ禍と重なる2年ほど前からである。
小規模でもアイデアや工夫で参加できるコンテストに挑戦

全国規模のコンテストに参加する目的は、インナーと同様に、売上の確保と地域ごとの発展への貢献やスタッフのモチベーションアップなどである。「加盟店みんなで売れる店をつくっていくこと」と宇田川氏。
同社には、個人商店や小規模店舗から地場のチェーン店など、さまざまな規模や形態の店舗が加盟している。そのため考慮しているのが、「ボリュームにこだわらないコンテスト」や「大陳賞とアイデア賞など、店舗事情に合わせて参加できる賞設定があるコンテスト」。さらに、「対象商品が、全国の加盟店で扱える商品であるか」も重視している。

コンテストの実施は、本社の広域担当者から各地区のMD、SVを経て加盟店へ案内される。最近はオンラインで広域担当者から直接全国の加盟店へ案内する機会も増えている。参加の判断は、加盟店に委ねられている。「企画説明や前例紹介は行いますが、参加の判断も、売場づくりも店舗の自主性で取り組んでもらっています」と宇田川氏。
加盟店の意欲や積極性を重視することで、モチベーションが上がり、来店客に喜ばれる売場づくりがさらに磨かれているという。最近は、ZOOMなどを活用し、リモート会議などをより密に、積極的に活用することで「加盟店と協力して、一緒にやっていこう」という一体感も生まれている。

今後は、「ネットやアプリを活用することで、食べ方提案やキャンペーンなど連動企画に力を注いでいきたい」と宇田川氏。アプリなどの最新ツールとともに、コンテストへ積極的に参加することで、売上や客単価アップを推進していく考えである。
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