コロナ禍で制約を受ける店頭販促、大規模な催事展開を行うチャンスに
メーカーが主催するディスプレイコンテストには、多くのチェーンがさまざまな目的で参加している。どんな狙いを持って参加し、どんな効果を期待しているか。また実際の取り組みに当たって、どのような手法を用いているのか。30社のアンケートへの回答結果から、ディスプレイコンテストの状況を探ってみた。
スキルアップへの期待や売上向上
店の鮮度感演出が参加の主要目的
一般的にディスプレイコンテストは、メーカーが対象商品や時期、テーマなどを告知し、参加意向を持つ店舗が、売場づくりを実施。写真などで応募した売場を審査し、評価が高かった売場をつくった店舗を表彰するという流れで行われる。
メーカーからさまざまなサポートを受けるとしても、通常業務の合間に相応の負荷がかかるこうした取り組みを行うのは、チェーン本部や店舗が、それだけの参加意義や価値を認めているからだろう。
弊誌が実施した「ディスプレイコンテストに関するアンケート」では、まず「参加するコンテストの基準」について尋ねている。「基本的にすべて参加」という回答は4社のみで、「カテゴリーによって参加する」が15社。そして「テーマによって参加」が最も多い20社だった。
そのうちどのような観点からテーマを選別しているかについては、「52週の催事テーマに合う」が1 6 社と最も多かった。「新商品・リニューアル品がテーマ」は13社、「春・夏・秋・冬などの季節がテーマ」が12社と続き、さまざまな観点から実施するタイミングを重視している傾向がうかがえる。
次に「ディスプレイコンテストに参加する理由」については、「陳列技術の向上」が25社とトップ。次が「売上アップ」(22社)「お店の鮮度感」(21社)などとなっている。「賞金」という回答も15社あり、参加理由は複合的だが、むしろ陳列スキルを磨くという主目的を重視する傾向が強いようだ。
また取り組み方について尋ねた「陳列方法について」の質問に対しては、「基本すべて自店で陳列」が19社と最も多く、次に「陳列内容は自店で考え、陳列はメーカーと協働でする」(15社)が続く。内容や陳列作業をメーカーや営業担当に委ねる店舗は少なく、参加に積極的なチェーンであるほど、自店のアイデアで独自の陳列を行う傾向があることがわかる。
「ディスプレイコンテストの実施はどこで知るか」については、「メーカーの営業マン」が27社とトップ。次いで「『ダイヤモンド・チェーンストア』を読んで」が13社と続く。このほか、「卸の営業マン」(9社)、「大陳メールニュース」( 4 社)、「『Display Contest ONLINE』を見て」(2社)という回答もあったが、やはりメーカー担当者が情報提供を行うと同時に、参加を提案することが、結果として参加へのきっかけとして大きいようだ。
「コンテスト参加は誰が決定しているか」の質問では、「バイヤー・商品部長」(23社)と、「売場担当者」(10社)が大部分を占める。「店長」という回答は6社で、やはり本部の意向と同時に、各店の担当者の参加意欲が、参加を決定する大きな要因になっていることがわかる。
「売場づくりには『いつ』『何人で』『どれくらい時間をかけて』いるか」という質問については、「営業時間中」(23社)が大半を占め、「営業時間前」(4社)や「営業時間後」(2社)は少なかった。
「陳列を行う人数」については「2人」(16社)が最多で、「3人」(6社)、「1人」(8社)などが続いている。
「陳列の所要時間」については「1~3時間未満」(20社)が最も多く大半を占める。その他の回答は少なかった。
「コンテストに使用するツールについて」は、「メーカー支給のツールを使用」(26社)、「自店で手作りしたツールを使用」(25社)、「本部支給のツールを使用」(10社)と、さまざまなツールが使われている。
ただ、支給されたツールを使用する一方で、店舗や自社本部でつくったツールのオリジナル性を重視し、積極的に使用する傾向も感じられる。
「POPづくりにどのような資材・道具を使っているか」という質問については、「パソコンソフト/イラストレーター」(11 社)「、太字マーカー」(10社)、「A4プリンタ」(9社)など一般的な道具が上位となっている。
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