ミツカン、”究極”をめざした納豆がヒットした必然と今後の納豆販売戦略とは

植芝 千景 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集者)
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「今後はリピート率の高い定番商品に注力していく」

 ミツカンは、これまでも焼肉味やバター醤油味などの変わり種のフレーバー納豆を数多く開発してきた。しかし、先述の調査によって、フレーバー納豆購入者の多くは同商品を1、2回購入し、その後定番の納豆の購入に戻る傾向にあることが判明したという。

 加納氏は、若年層から支持を集めるフレーバー納豆は変わらず開発していくとしたうえで、「今後はこの『金のつぶ 国産小粒納豆3P』のように、リピート率の高い定番の納豆商品に注力していきたい。新商品を開発するほか、既存の定番商品をリニューアルするなどしてより強化していく」と話す。

 また、今後は定番商品として金のつぶシリーズの「とろっ豆」を据えていくという。この納豆は、昔ながらの納豆のような“豆感”のある食感ではなく、柔らかでとろっとした食感にこだわっているのが特徴だ。

金のつぶシリーズの「とろっ豆」
金のつぶシリーズの「とろっ豆」

同商品はミツカンが開発した、納豆の蓋部分を取り外し、真ん中でパキッと割るだけでタレが出せる容器を採用しており、手が汚れない設計になっているのも特徴の1つ。「『とろっ豆』は従来とは違ったイメージの納豆であり、若年層により強く訴求していきたいと考えている」(梶原洋平課長)と説明する。23年4月中にはパッケージを刷新し、さらなるイメージ戦略を図っていく予定だ。

「とろっ豆」は、納豆の蓋部分を取り外し、真ん中でパキッと割るだけでタレが出せる
「とろっ豆」は、納豆の蓋部分を取り外し、真ん中でパキッと割るだけでタレが出せる

 昨今の値上げラッシュもあって、価格訴求品が注目される中、高質な納豆をもヒット商品に育て上げるミツカンの戦略に注目が集まる。

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記事執筆者

植芝 千景 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集者

同志社大学大学院文学研究科(国文学専攻)修了。関西のグルメ雑誌の編集部に所属後、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。日本酒、特に関西の地酒好き。趣味は、未知のものを食べること。「口に入れてから考える」ことをモットーに、日々さまざまな食べものを味わっている。

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