2022年春・夏新商品ヒットランキング 販促企画店頭での集合陳列で見えたNo1商品の強み
ダイヤモンド・リテイルメディアでは、食品SMチェーンのセブンスター(愛媛県/玉置 泰 代表取締役会長兼社長)と協力し、「2022年春・夏 新商品ヒットランキング」のNo1商品を集めた店頭販促企画を実施。新たな需要の掘り起こしにもつながる同企画の詳細をレポートする
松山市内の3店舗で店頭実験を実施
ダイヤモンドチェーンストア誌では、KSP-POS(食品SM)に基づき、2022年1月から6月に新商品・リニューアル商品として発売された商品の期間金額PI(調査期間:22年1~8月、販売店率20%以上が対象)から各カテゴリーのNo1商品を選出し、22年12月1日号の誌面で発表した。
ランキングで選出されたのは調味料、加工食品、洋日配、酒類など15アイテム。在宅時間の充実につながる味のこだわりに加えて、簡便性の高さ、健康訴求、環境への配慮といったニーズに対応する商品が上位に挙がっている。発売当初の新商品は定番棚のほか、エンドなど目立つ位置に陳列され来店客とのタッチポイントも増えるが、発売から半年もすると定番棚のみの展開で商品に触れる機会が極端に減少する。
こうした理由から春夏の新商品にもう一度スポットを当てようと「2022年春・夏新商品ヒットランキング」の選出商品を集めてコーナー化する新たな販促施策の店頭実証実験が行われた。
実証実験を行ったセブンスターは愛媛県で10店舗を展開する地域密着型のスーパーマーケットチェーン。松山市およびその周辺地域をドミナントとする戦略で店舗展開を進めている。今回の企画は松山市内にある石井店、石手店、三津店の3店舗を対象に、12月7日から20日の2週間で展開された。
No1POPの活用と集合陳列で売上・点数共に大幅増
店頭展開にあたっては、「2022年春・夏新商品ヒットランキングN01商品」のロゴと共に、商品ごとにパッケージ画像と商品特長を記した販促用POP(定番用・サイド用)を作成。さらに催事用として、3号サイズの集合POPやエンド用POPも作成し掲示した。
特に石井店では催事コーナーでカテゴリーの垣根を越えた集合陳列を行い、「春夏新商品ヒットランキングNO1商品」という横断幕風のPOPを付けることで来店客の目を集めた。対象商品は創味食品の「創味のつゆ減塩タイプ」「創味ハコネーゼ ゴーダチーズと香味野菜の濃厚ボロネーゼ」、ニッスイ「SuiSuiオープン うまい!鯖匠さば水煮」、サントリー食品インターナショナルの「ボスカフェベース 贅沢抹茶ラテ」、キリンビールの「キリン ウイスキー 陸」、マルサンアイ「豆乳グルト」、明治「ブルガリアヨーグルト脂肪0カルシウム鉄分」「プロビオヨーグルトLG21 無添加」の8アイテム。
実施期間である22年12月7日から20日と、前週にあたる11月25日から12月7日の数値を比較すると、8アイテム中5アイテムが金額・点数共に2倍以上の伸長。中でも「SuiSuiオープン うまい!鯖匠さば水煮」と「キリンウイスキー陸」は前期比8倍以上の伸びとなった。No1ヒット商品であることを周知し露出を増やすことで、商品を手に取る機会が増えたと推察される。
セブンスターの売場担当者は、「季節的なズレや鮮度に欠ける点、温度帯の違う商品との組み合わせに難しさを感じたが、No1ヒット商品の集積によるコーナー化や定番棚と絡めた売場連動を行った結果、販売点数や売上の増加がみられた」とコメント。ロゴの入った販促物への評価が高く、サイド用のPOPは定番棚でも目を引いたという。長引くコロナ禍に加え、円安による物価上昇やエネルギー価格の高騰もあり消費者の生活防衛意識が一層高まっている。こうした状況下、ランキングNo1商品による集合陳列は、「新商品を試したいが、安心できる商品を選びたい」という消費者ニーズに応える店頭展開の一例となるだろう。
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