セブン&アイが高価格帯PBの冷凍ラーメンを新発売! あえて「具材」を入れなかった理由とは

中原 海渡 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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店の味に限りなく近づけるための工夫とは

 では、新たに発売する「金の醤油らぁ麺」と「金の濃厚つけ麺」の商品開発の工夫を見ていこう。

「金の醤油らぁ麺」(税込494円)
「金の醤油らぁ麺」(税込494円)

 「らぁ麺 飯田商店」の飯田将太氏が監修する「金の醤油らぁ麺」の袋内は、「スープ」と「かえし(醤油ダレ・鶏油)」が別々に入っている。スープに約200ccの水を入れて加熱し、沸騰したら冷凍麺を入れる。約2分経ったらあらかじめかえしを入れた器に混ぜて完成だ。

 開発のポイントについて、飯田氏は「スープとかえしをあえて別々にした点がミソだ」と語る。かえしをスープと一緒に加熱すると、かえしに入っている醤油ダレの香りが変化するため、別々にしたのだという。飯田氏は「香りはおいしさを感じるうえで最初に感じる大事な要素」と説く。

 何度も試作したという麺は、食べ進めていくうちに小麦が溶けだして甘さが出てくるという。「味の変化を楽しんでもらいたい」と飯田氏は話す。

とみ田の「金の濃厚つけ麺」(税込516円)
「金の濃厚つけ麺」(税込516円)

  「中華蕎麦 とみ田」の富田治氏が監修する「金の濃厚つけ麺」は、本店の並盛と同じ400gもの冷凍麺を入れている点が特徴だ。麺を電子レンジで加熱したら、麺が入っている袋をそのままざるとして使用し、水で流す。この工程によって、麺のゆでたて感や本店の食感を再現したという。

 スープは豚骨のほか豚肉を出汁に取った、希釈なしのストレートス―プだ。そのうまみを飛ばさずに閉じ込めるために、温める際は電子レンジによる加熱ではなく湯煎とした。富田氏は「麺によく絡むリッチなスープになった」と魅力を語る。 

 最後にセブン‐イレブンの園田氏は、「『金のパスタ』と同じように『金の醤油らぁ麺』と『金の濃厚つけ麺』も、単なる間に合わせの時短料理商品としてではなく、この味を求めて積極的に購入する商品として広く浸透してほしい」と話す。

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記事執筆者

中原 海渡 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

神奈川県出身。新卒で不動産仲介業の営業職に就き、その後ライター/編集職に転身。

2022年10月に株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。ダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集部記者として記事執筆・編集を行う。

趣味は音楽鑑賞(ポップス/ロック)と、最近はレコード&カセット収集。フィジカルメディアが好きで、本も電子書籍より実物派。

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