セブン&アイが高価格帯PBの冷凍ラーメンを新発売! あえて「具材」を入れなかった理由とは
セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長:以下、セブン&アイ)は12月9日から、プライベートブランド(PB)「セブンプレミアム ゴールド」より「らぁ麺 飯田商店」監修の冷凍ラーメンと「中華蕎麦 とみ田」監修の冷凍つけ麺を同時発売する。本稿では、両商品の発売に至るまでの経緯と商品開発の工夫について見ていきたい。
「金のパスタ」のヒットと麺類商品の好評が開発を後押し
セブン&アイが展開するPB「セブンプレミアム」の最上級ブランド「セブンプレミアム ゴールド」。12月9日、同ブランドから「らぁ麺 飯田商店」監修の冷凍ラーメン「金の醤油らぁ麺」(税込494円)と「中華蕎麦 とみ田」監修の冷凍つけ麺「金の濃厚つけ麺」(税込516円)を発売する。
開発のきっかけは、2022年3月に「セブンプレミアム ゴールド」から発売した冷凍食品「金のパスタ」シリーズの「金のボロネーゼ」「金の蟹トマトクリームパスタ」(どちらも税込429円)のヒットだ。両商品は発売から半年で累計520万食を売り上げた。
セブン‐イレブン・ジャパン(東京都/永松文彦社長:以下、セブン–イレブン)の商品本部デイリー部シニアマーチャンダイザーの園田康清氏は、「『金のパスタ』は、冷凍食品でありながら、『間に合わせ料理』としてではなく一般的な料理としてお客さまに受け入れられるようになった」と話す。
また、セブン–イレブンが来店促進のために毎月開催する「フェア」のなかで、「麺フェス」をはじめとした麺類をテーマにした企画がとりわけ好評だった点も開発を後押ししたという。そうした経緯から、セブン&アイは有名店である「らぁ麺 飯田商店」と「中華蕎麦 とみ田」に冷凍食品開発の監修を依頼した。
商品開発にあたっては「別皿に移して食べたときに、冷凍食品だとわからないレベルの味を追求した」と園田氏は説明する。限られた予算のなかで、具材を入れることを諦めて麺とスープを徹底的に追求した。その姿勢は味の妥協を許さない監修二人の意向と一致し、より本店の味に近づけることに成功したという。