冷凍食品市場もからあげが熱い!各社の注目商品をチェック!=連載:深堀りすれば見えてくる「からあげ」
Special Column
日本唐揚協会主催「からあげグランプリ®」気になるスーパー総菜部門 今年の最高金賞は?
本当にうまいからあげ店を決めるべく、日本唐揚協会が2010年より毎年開催している人気投票企画が「からあげグランプリ®」だ。年々規模が拡大し、昨年より「スーパー総菜部門」も新設、ますます盛り上がりを見せている。第11回目となる今年の結果はどうなるか? いよいよ本誌が発行される4月15日に明らかになる―――。
昨年スーパー総菜部門を新設背景にはおいしさの向上
日本でいちばんうまいからあげ店はどこにあるか? からあげ愛好者ならつい熱弁をふるいたくなるようなストレートな問いに真っ向から応えたのが、日本唐揚協会が主催する一般参加型の投票企画「からあげグランプリ®」だ。同協会が発足して3年目の2010年に初開催、好評を博して毎年行われている。しょうゆダレ部門、塩ダレ部門、手羽先部門など全11部門があり、SNSなどによる一般投票によって予選投票を実施。その後、決選投票を経て各部門の受賞店を決定する。年々投票総数は増え続け、昨年はついに20万人を超えた。当初は1万人規模だっただけに、いかにからあげ人気が拡大しているかがわかるだろう。
これまではからあげを提供する専門店や居酒屋、外食チェーンなどが審査の対象だったが、19年の「第10回からあげグランプリ®」から、11部門とは別に「スーパー総菜部門」が新設された。背景には、ここ数年でスーパーのからあげのおいしさが格段にアップしたことが挙げられる。昨年は東日本と西日本の2つの部門に分けてエントリーを募ったところ、東日本で48社、西日本で57社の応募があり、東西それぞれ金賞8社とその中からそれぞれ最高金賞1社が選出された。記念すべき初の受賞は、東の最高金賞がライフコーポレーション(大阪府)の「純和赤鶏むね唐揚げ」(首都圏店舗で販売)、西の最高金賞が平和堂(滋賀県)の「じゅわ旨! 生姜香る鶏もも唐揚」という結果だった。
揚・衣・汁・味・量に加えからあげに対する熱量も評価
さて気になる「第11回からあげグランプリ®」だが、今年は新たに中日本部門を創設。昨年11月18日から募集を開始し、今年1月27日までを募集期間としたところ、東日本スーパー総菜部門で43社、中日本で47社、西日本で40社がそれぞれエントリーした。応募資格は、日本国内のスーパーマーケットの総菜コーナーで20年4月15日現在で販売されている商品であること。審査段階で販売されていなくても構わない。ただし、1チェーン1商品に限る。
エントリー後、同協会のホームページにおいて一般消費者からの応援メッセージを受け付け、その数と内容を踏まえて書類選考を実施。試食審査に進める候補企業を選定した。その数、東日本は24社、中日本は22社、西日本は17社となった。
試食審査の審査員を務めるのは、同協会の幹部のほか、日本食鳥協会、有名からあげ専門店店主、スポンサー企業など10人。審査当日は、会場で仕込みと調理を行い、揚げた60分後のからあげを審査員が試食して行った。揚げたてがおいしいのは当たり前、スーパーの総菜だからこそ、冷めてもおいしいかどうかが審査のカギとなる。
審査項目は、同協会推奨の「うまい唐揚評価ポイント」である「①揚げ方の良し悪し②肉と衣のハーモニー③ジューシー感④からあげの味付け⑤コストパフォーマンスを考慮したボリューム」の5項目(各項目10点満点)のほか、今年から担当者の情熱やプレゼン内容などからあげに対する「熱量」(3点満点)も評価に加えた。1企業につき約3分の審査時間の中で試食、プレゼン、質疑応答を行い、金賞企業を選出。4月15日に東京で開催される授賞式で、金賞の中から最高金賞1企業を東日本、中日本、西日本それぞれから選出、表彰される予定だ。受賞すればプロモーションにも多大な効果があるだけに、各社の力の入れ具合は昨年以上といわれる。果たして、今年の栄冠はどのスーパーに?
国民食から世界の「KARAAGE」へ!
「からあげグランプリ®」を手がけて10年、からあげブームの拡大に貢献した日本唐揚協会が次にめざすのは、世界に通用する「KARAAGE」だ。
世界を見渡せば、アメリカの「フライドチキン」、スペインの「ポジョ・フリート」など揚げ鶏料理はいろいろあり、受け入れられる土壌は整っている。なにより世界的ラーメンブームの今、海外ではラーメン店のサイドメニューのひとつとして「KARAAGE」は定番化している。
鶏ムネ肉を使った鶏料理が世界基準といわれるなか、鶏モモ肉を使い、下味に工夫を凝らした「KARAAGE」は日本ならではの味。ぜひ世界に発信していきたいと同協会では意欲を見せている。