セブン-イレブン、「冷たい麺」でローカライズ強化の思惑とは

取材・文:阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

製麺スペシャリスト制度により全国で安定した品質を実現

 「冷たい麺」の品質の維持向上を下支えするのが、15年に導入された、製麺に関する高度な専門知識と技能を持つ人材を育成・配置する「製麺スペシャリスト制度」だ。

 この制度の導入背景について、ニッセーデリカ(東京都)新規事業部製麺開発室副室長の佐々木竜太氏は「過去に麺の品質が安定しないことが課題だった。製麺に特化した人材育成の必要性から制度が誕生した」と説明する。

 「製麺スペシャリスト」の認定には、以下の3種の試験に合格する必要がある。

  • 筆記試験(製麺知識)
  • 官能試験(実食による品質評価)
  • 技能試験(小麦粉から茹で上げまでの実務能力)

 これらを突破した人材のみが“麺の門番”として全国26カ所の製麺工場で活躍。257月末時点で、全国に34名が在籍している。

 製麺スペシャリストは、品質確認や製造現場の改善提案、商品リニューアル時の勉強会などを実施。茹で時間・冷却工程など、各工場の調整も担い、全国で均一な品質を保っている。

 年々、厳しさを増す日本の夏において、セブンイレブンは、スペシャリストによる品質担保と、地域ごとの味を生かした商品づくりを両輪として、「冷たい麺」カテゴリーのさらなる充実を図る。

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取材・文

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

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