卸オリジナル商品市場、健康志向、時短調理などに対応した商品が続々
食品の相次ぐ値上げにより、節約意識が高まる一方で、価格に見合った品質を求める層も一定数存在する。健康ニーズに対応した商品や付加価値の高い商品など、卸各社ではこだわりのオリジナル商品を展開し、この秋も新商品を続々投入している。
忙しい生活環境により、時短調理ニーズが拡大
コロナ禍による健康意識の高まりや自宅療養者のニーズに対応した品揃えにより、三菱食品の「食べるをかえる からだシフト」シリーズは前年を上回り、同社のオリジナル商品全体を押し上げた。同シリーズは糖質を1食20~40g、1日合計70~130g以内に設定した「糖質コントロール」シリーズや、ライフスタイルにあわせてプロテインを手軽にプラスできる「PROTEINPLUS」、さらに食物繊維と「はぴねす乳酸菌®」を加えた「Happiness腸活」を展開している。とくにプロテイン粉末や、スープやレンジ調理総菜など加工食品10SKUを展開している「PROTEIN PLUS」シリーズが好調だ。そのほか、ロングセラーブランドの「かむかむ」シリーズやハードグミの「ハリボー」が好調に推移し、ポケット菓子市場全体の好調に寄与した。
単身・共働き世帯の増加により、個食ニーズが拡大していることから、日本アクセスでは冷凍ミールキット「ストックキッチン」シリーズを展開。2019年の発売から累計販売数300万パックを突破した。この秋は、より使いやすく、手に取りやすい商品に全面リニューアルを行った。より求めやすい価格に変更し、パッケージはフル印刷包材にすることで、食材が取り出しやすくなり、記載できる情報量が格段にアップした。
一方、忙しい生活環境により時短調理品のニーズが高まるなか、三井食品では素材の下処理が省けるうえ常温で日持ちもする乾燥野菜「にっぽん元気マーケット国産野菜ぎゅぎゅっとミックス(乾燥野菜)」シリーズを新発売。子供から大人まで人気の「ミートソース」「ハンバーグ」「グラタン」の3つのメニューの具になる国産の乾燥野菜で、手間を抜きつつ、たくさんの野菜が食べられるメニュー提案型の商品となっている。三井食品のオリジナル商品の売上高は対前年比8.9%増(23年3月)と好調に推移しており、新商品の投入でさらに拡大を図っていく。