意外! 明治、牛乳や乳飲料の「宅配事業」の契約数がこの30数年でほぼ倍増している理由
新たに食品の取り扱いも検討
明治の宅配事業における今後の課題は顧客ターゲットの拡大だという。同社は新規顧客を取り込むため、菓子などの加工食品を宅配商品のラインナップに加えることを検討している。「全国の物流網を生かし、さまざまな商品をご自宅まで配送できるのが当社の強みだ」(須川氏)
ミドル層と呼ばれる40~50代の取り込みにも力を入れる。たとえばR-1 The GOLDの発売時は、プロモーションをすべてウェブで行った。SNS広告には「明治の宅配」HP内の申込みフォームのリンクを掲載した。その取り組みは奏功し、須川氏は「広告出稿後、40〜50代の成約率が伸びた」と明かす。ウェブ申し込みによる契約軒数も伸び、通常は月平均200〜300軒のところ約1000軒を記録した。
ウェブ申し込みから契約を交わす際も、販売訪問と同じく特約店がお客の窓口となる。特約店の役割は商品を配達するだけではない。お客に対して健康情報の提供や高齢者見守りサービスを行っている特約店もある。
須川氏は「お客と直接的なつながりを持てることは、ECやネットスーパーにはない価値だ。配達事業の特約店を通じてお客の生の意見を知り、商品開発に生かしていきたい」と語る。