前年相場高はこう乗り越える!22~23年冬の青果部門を制する方法とは

解説:藤井 俊雄(オフィス・フジイ)
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青果は相場や品質の変化が激しく、他部門より柔軟な対応力が求められる部門である。今年の年末年始は、原価高騰や円安の影響を加味しながら、前年の相場高の影響で大きくなった売上をどのように上回っていくかがポイントだ。本稿では、年末年始の青果部門の対応策について解説する。

前年の相場高をどう乗り越えるか

 青果部門はコロナ1年目の2020年に異常な販売実績を示したが、21年は相場安により売上高は低調で終わった。22年の現在は、規制が緩和されたことにより外食業界が盛り返しを見せている。そのため、食品スーパー(SM)の精肉や鮮魚、加工食品、日配などの部門は大きく前年割れとなったが、総菜や青果は前年不振であったためか、今年も昨年並みの数値を維持している。今年の秋冬の全体の相場は平年並みの予想だが、前年高騰したたまねぎやりんご類には注意して販売計画を作成する必要がある。また、今年はウクライナ戦争からエネルギー問題、国際情勢の変動により為替レートの大幅な円安を考慮しなければならず、大変な時期となっている。

 図表❶は昨年の卸売市場の1kg単価と前年比だ。野菜ではたまねぎ、果実ではりんごが異常高値で推移した(図表❷)。たまねぎは北海道産のものが9月から翌年5月頃までの長期間販売され、野菜の売上高構成比5%強を占める商品だ。りんごは年間を通して出回り、果実の売上高構成比10~15%を占める商品のため、前年の冬期間の相場状況を把握しておく必要がある。

図表❶野菜・果実の東京青果卸売市場価格の推移

図表❷りんご・たまねぎの東京青果卸売市場価格の推移

 ここで前年に相場高となったたまねぎとりんごの対策案をいくつか紹介したい。まずは

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