字に自信がなくてもOK! POPのプロが解説する、顧客が読みやすい文字の書き方
研修の冒頭に、「自分が書く文字に自信ある方はいらっしゃいますか」と質問すると、手を挙げてくれるのは50人中1人、あるいは0人ということもあります。ですが、これからお伝えする「お客さまが読みやすい文字の書き方」に気をつけて練習した後に同じ質問をすると、半数の方が「自信あります」と手を挙げてくださいます。連載2回目となる今回は、そのポイントの中から核となる2点をご紹介します。
一番大切なことは「丁寧に書く」
当たり前のことですが、お客さまに読んでいただくのですから、「何て書いてあるの?」と思われてしまうような「自分が読めればOK!的な文字」では伝えたいことも伝えられません。できるだけ丁寧に書くことを意識しましょう。
また、急いで書いたときにありがちな「縦に細長い文字」や、達筆過ぎる「原型がわかりづらい文字」は、基本的にPOPやブラックボードには向きません。
たとえば、縦に細長い文字は、線と線の隙間が潰れているように見えてしまい、文字の形を認識するまでに時間がかかります。
そこで、線と線の隙間を広くとった膨らんだ文字が力を発揮します。
「文字の膨らみ」とは、たとえば「の」という文字を例にとると、中央線を境にした左右に膨らんだ部分です。この膨らみを大きく広くとることで、文字の線と線の隙間に空間ができ、すぐに認識できる読みやすい文字になります。
用途に合わせて使うと効果UP! フォント種類の選び方
パソコンでPOPを作成する場合は、文字のフォント選びも重要です。フォントの種類は大きく分けて「ゴシック体」と「明朝体」があります。
「ゴシック体」は線の太さが一定で、ほぼ直線でできているため、離れた場所からでも読みやすいという特徴があります。
一方、「明朝体」は縦線と横線の太さに違いがあり、右端や角に三角の山(通称ウロコ)があります。長文で使用しても読むことに疲れないのが特徴です。
POPは、①離れた場所からお客さまに気づいてもらう、②POPに近づいてもらう、③情報を読んでもらう、④興味を持ってもらう、という一連の流れをお客さまに促す役割があります。
このことから、最初のアクションでもある①の「お客さまに気づいてもらう」ためには、離れた場所からでも読みやすい「ゴシック体」でキャッチコピーが書かれていると目に止まりやすいと言えます。
そして、POPに近づいて情報を読んでもらうときは、長文に向いている「明朝体」で詳細情報が書かれているとスムーズに読むことができます。
ただし、これはあくまでも基本的な考え方です。キャッチコピーを「明朝体」にした方が商品やサービスのブランドイメージに合う、また、すべて「ゴシック体」にした方がお店の雰囲気にマッチするなど、条件や用途に合わせてフォントを選ぶことで表現の幅が広がり、独自のオリジナルPOPをつくることができるようになります。
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