伝統製法で独自商品を生み出す! 鹿児島の老舗黒酢メーカー「重久本舗」の次なる挑戦

2022/07/19 05:55
    上妻 英夫(KIプレス)
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    いわゆる「黒酢ブーム」があったのは約30年前も昔だが、それ以来、黒酢や果実酢、ビネガードリンク(酢飲料)といった健康酢の市場は堅調に伸びている。数ある黒酢の中でも、ダントツの位置を維持しているのが、伝統製法の「鹿児島の壺造り黒酢」だ。本稿では、江戸時代後期から鹿児島霧島市福山界隈で壺甕に黒酢づくりをしながら、独自の商品開発を展開する重久盛一酢醸造場(鹿児島県、屋号:重久本舗、まるしげ)をレポートする。

    機能性表示食品としても注目される酢

     伝統的な発酵食品である「酢」。重久本舗は、酢に自然発酵の成分を加えたさまざまな商品を開発している。この6月に発売した「黒生姜甕酢」(185mℓ、1250円税別)もその1つで、「身体ぽかぽか『黒生姜甕酢』」をキャッチコピーとしている。同商品の原材料は米麹と黒生姜で、黒生姜粉末を米麹と地下水と一緒に発酵させて製造する。成分は、アミノ酸450mℓ以上、化学調味料、香料、保存料、糖質無添加となっている。

     同社の商品開発の歴史は古いが、目立ったものといえば、有機田七人参を甕で発酵させた「白井田七 甕」(2015年発売)、カツオ節(枕崎産)を米麹で発酵させた「旨だし酢極」のほか、無農薬栽培の日向当帰(日本山人参)を米麹で発酵した「神の恵み」、果汁を発酵させた自然発酵の「ざくろ酢」など現在、15種類の酢を製造・販売している。

     同社の酢商品の比率は、黒酢が6割強、フルーツ酢が2割、漢方酢が1割弱、だし酢(鰹節)は1割弱となっている。黒酢とほかの自然発酵酢を組み合わせ、差別化商品を積極的に開発しているのが特徴だ。

     最近、酢関連商品は機能性表示食品としても広がりを見せており、とくに黒酢の健康効果である「疲労回復」「血流の改善」「美肌」「栄養の吸収促進」「尿酸値を下げる」「肝機能を高める」など、生活習慣病を予防するとして注目を集めている。

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