22年4月に「プラスチック資源循環促進法」が施行、小売や外食でも大きな意識の変化が重要だ
協業の取り組みで、環境負荷の低減を図る
再生までに時間もコストもかかる「リサイクル」に比べ、同じ容器を繰り返し使う「リユース」は、地球環境に対するやさしさがわかりやすい。
イオンは、従来、使い捨てされていた日用消耗品や食品などの容器や商品パッケージを耐久性の高いものに変え、繰り返し利用できるようにする新たな商品提供システム「Loop(ループ)」の取り組みに、21年5月から参画した。お客がデポジット(容器保証料)込みで商品を購入、使い終わった容器を扱い店舗に戻すと、デポジットが返却される。一方で、容器はループが回収、洗浄してメーカーに戻し、メーカーは容器に充填し再び店頭で販売する。
セブン&アイグループでは、2019年5月、環境宣言「グリーン・チャレンジ2050」を策定。「CO2排出削減」「プラスチック対策」「食品ロス・食品リサイクル対策」「持続可能な調達」の4つのテーマで、環境負荷低減を進めている。
たとえば、チルド弁当容器の紙化。ふたを密閉する際、窒素ガスの注入により、鮮度を長く保つことが可能になった。廃棄ロスの機会を減少するだけでなく、遠くまで運べるようになり、生産効率の向上にもつながっている。また、“人と地球にやさしい”「ヤシノミ洗剤」を展開するサラヤと、衣類洗剤や手指消毒スプレーを共同開発。衣類にも肌にも優しく、地球環境や社会問題に配慮したエシカルな製品だ。
このサラヤは、現在「衛生」「環境」「健康」という3つのテーマを事業の柱としているが、実は“SDGs”という言葉が存在する以前から、サステナブルな社会の実現に向けた活動を続けてきた会社だ。1971年に業務用、79年には一般家庭用の『ヤシノミ洗剤』を発売。82年には台所用洗剤として日本初の詰替パックを開発した。
同社では、ヤシノミ洗剤の原料になるパーム油の製造によってボルネオの環境問題が引き起こされていることから、「原料調達まで遡って、より人と地球にやさしい洗剤をつくろう」と、原料生産地の一つであるマレーシア・ボルネオ島の環境保全の支援に売上の1パーセントを充てるなど、15年以上も前から、生物多様性を守る活動に取り組んでいる。
また、2021年11月には、社会課題解決をめざす企業との共創プロジェクトを進めるコル、店舗ビジネスをサポートする店舗流通ネットワークとの戦略的パートナーシップにより、新たなプロジェクト「キープReフレッシュ」がスタートした。マイナス30℃の液体を使った同社の急速凍結技術により、地方の6次産業化やフードロス削減に貢献していく。