CVS大手3社が上位独占 コロナ禍での上位10社の戦略は?
2021年の日本の小売業売上高1000社ランキングは、3年連続で大手コンビニエンスストア3社が上位を独占する結果となった。10位には、PPIH傘下となったことで16カ月の変則決算となったユニー(愛知県)が、昨年10位のエディオン(大阪府)を抜き新たにランクイン。前年に引き続き、コロナ禍の影響を各社強く受ける結果となった21年。上位10社の業績と、今後の成長に向けた戦略をまとめた。
1位 セブン-イレブン・ジャパン
新レイアウトをさらに進化、小商圏化とニーズ多様化に対応
セブン-イレブン・ジャパン(東京都)の21年2月期のチェーン全店売上高は対前期比2.8%減の4兆8706億円と前期実績を下回ったものの、コスト構造改革が奏功し当期純利益は同14.6%増の1944億円となった。前期に引き続いて出店基準を厳格化したことから新規出店数は610店舗にとどまり、期末店舗数は同169店増の2万1085店となっている。
既存店売上高は同2.4%減。客単価が同8.4%増となった一方で、客数は同9.9%減と低調だった。コロナ禍でオフィス街立地の客数が減少したほか、住宅立地や郊外を中心に小商圏化が加速したことの影響を受けたとみられる。コロナ禍では、冷凍食品、総菜、酒類など、内食需要や巣ごもり消費、健康志向に対応した商品カテゴリで売上が伸長した。平均日販(店舗あたりの1日の平均売上高)は64万2000円で、コンビニエンスストア(CVS)業態で圧倒的な高さを維持している。
25年度までの中期経営計画では、小商圏化の加速と消費者ニーズの多様化への対応に取り組む方針だ。具体的には、17年度から導入をすすめてきた新レイアウトをさらに進化させ、酒類の売場を拡張した「2020年度版新レイアウト」を21年度末までに1万2000店舗で導入。さらに、立地に応じたメリハリのある品揃えをめざし、商圏内の消費者のニーズに合わせた個店対応を1500店で実施する。
ラストワンマイルへの対応として「セブン-イレブン ネットコンビニ」の対象エリアも拡大中だ。弁当やおにぎりなど、約2800品目の店舗の在庫データがリアルタイムに連携され、スマートフォンから注文すると最短30分で商品が届く。21年度末までに導入店舗数を1000店まで拡大し、収益モデルを確立させたうえで25年度末までに全国で展開、営業利益を5%押し上げる目標を掲げている。
2位 ファミリーマート
新会社設立でメディア事業を展開へ、デジタル施策に注力
ファミリーマート(東京都)の21年2月期のチェーン全店売上高は、対前期比6.8%減の2兆7643億円で、当期純損失22億円の最終赤字となった。195店舗を出店し、156店舗を閉鎖した結果、期末店舗数は39店増の1万5725店となっている。既存店売上高は同7.7%減。客単価は同7.3%増となったものの、客数が同14.2%と大幅に減少した。平均日販も前期の52万8000円から49万3000円へ下げた。
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