Qvouの「のむシリカ」が累計販売本数1億本突破！今後のマーケティング戦略とは？

健康志向の高まりから、飲料水にこだわる生活者が増えるなか、支持を集めているのが、Qvou（キューボ－）の「のむシリカ」だ。霧島連山で採水された無添加天然水で、シリカをはじめ、現代人に不足しがちなミネラルを豊富に含んでいる。高価格帯でありながら、累計販売本数は1億本を突破^※1。今や小売業の売上拡大に貢献する商品としても注目されている。

^※1 2017年4月12日～2023年7月31日（株）Qvou調べ

髪質維持や骨密度アップなど、健康に欠かせないシリカの働き

　飲料水といえば、かつては水道水が主流だったが、健康志向の高まりを背景に、現在ではミネラルウオーターを飲用する生活者が増えている。一般社団法人日本ミネラルウオーター協会の調査によると、国民1人当たりのミネラルウオーターの年間消費量は、2005年では14.4ℓだったのが、22年では37.7ℓと約2.6倍に拡大している。

　こうしたなか、2017年にインターネット通販で発売して以来、右肩上がりに支持を集めているのが、Qvouの「のむシリカ」だ。霧島連山の麓、宮崎県小林市で採水されたナチュラルミネラルウオーターである。市販のミネラルウオーターの中には、人工的にミネラル分を調整しているものが少なくないが、「のむシリカ」はろ過、沈殿、加熱殺菌以外の処理は一切していない。文字通り無添加天然水であり、多種多彩なミネラルを豊富に含んでいる。なかでも、その名が示すように、シリカの含有量は無添加天然水の中では国内トップクラスだ。

　そもそもシリカとは何なのか。二酸化ケイ素ともいわれるシリカは、主に皮膚や髪、骨などに含まれているミネラルの一種だ。組織同士を強くつなげる働きがあり、肌や髪、爪の質を維持するほか、骨密度や血管の弾力を保つ役割を担っている。また、体内にため込んでしまった有害物質を排出するデトックス効果や抗酸化作用の働きもある。

　美容だけでなく、健康にもさまざまな効果が期待できるシリカだが、体内で生成することができないという難点がある。もともと人の体には一定量のシリカが存在しているものの、年齢を重ねるごとに減少し、30歳を過ぎたあたりで、生まれたときの約半分以下の量^※2になるといわれている。それゆえ、意識的にシリカを補っていかなければならない。食事やサプリメントという方法もあるが、体内への吸収率が最も高いのは、シリカ入りのミネラルウオーターを飲用すること。さらに、水に溶け込んでイオン化されたシリカ水であれば、吸収率は100%近くに達し、より効率的に摂取することができる。Qvouの「のむシリカ」は、まさにイオン化された高濃度のシリカ水なのである。

^※2 出典：Biochemistry of Silicon and Related Problems

現代日本人に不足しがちなミネラルをバランスよく含有

　「『のむシリカ』が支持されているのは、シリカの含有量が多いことはもとより、現代日本人に不足しがちなミネラルを豊富に含んでいるからです」

　こう話すのは、ホールセールマネージャーを務める長谷川氏。日本ジオパークに認定されるほど、美しく貴重な自然が残されている霧島連山一帯には、数百年という年月をかけて溶け出したミネラルをたっぷりと含んだ天然水が噴出している。疲労回復を促す炭酸水素イオン、代謝促進に効果のあるサルフェート、血糖値や血圧を下げる効果が期待できるバナジウム、骨や歯の健康に欠かせないカルシウムやマグネシウムなど多種多彩だ。しかも、これらがバランスよく含まれているのは世界的に見ても珍しいという。

　「通常、ミネラルが豊富な水は“硬水”の場合が多く、苦みなどの独特の風味があって飲みにくいものですが、『のむシリカ』はミネラルのバランスが優れているため、“中硬水”に分類され、まろやかで飲みやすいという特長があります」（長谷川氏）

　実際、「のむシリカ」を料理に使うと、刺激や角がとれて味がマイルドになり、旨味が増す。味覚センサーAIによる調査でも実証されており、「のむシリカ」を使って炊いたご飯はもちろんのこと、お茶やお酒の割材に使ってもおいしい。

　こうした「のむシリカ」ならではの特性を保持し続けるために、Qvouでは採水する水脈を一本だけに固定。隣接した工場で徹底した品質管理のもとボトリングしている。世界でも類を見ない水脈指定の無添加天然水というわけだ。水脈を固定することで生産力に限界が生じてしまうが、同社では何よりも品質を重視する。「のむシリカ」が一般的なミネラルウオーターに比べて高価格帯である理由はそこにある。

露出機会を増やし、男性や若年層のファン獲得へ

　発売当初は「のむシリカ」のメインターゲットを、“美容と健康のために体の中に取り入れるものにこだわる層＝40～60代の主婦層”ととらえ、マーケティング活動に取り組んできたQvou。具体的には、そうした人たちに支持されているBS・CS放送の韓国ドラマや中国ドラマの合間にテレビCMを大量投下することで認知獲得を図ってきた。これが成功し、インターネット通販市場で人気に火が付くと、「最寄りのスーパーに置いてほしい」、「出先でも買えるようにしてほしい」というファンの声に応え、22年からは小売市場に進出した。その結果、支持の拡大がいっそう進み、今や累計販売本数は1億本を超える。

　「インターネット通販では24本入りの定期便でしか購入できなかったものが、小売店で販売できるようになったおかげで、1本から購入できるようになりました。これは消費者だけでなく、私たちにとっても新たなファンを増やしていくうえで大きなメリットがあると感じています」（長谷川氏）

　これまでのようにテレビCMを投下する一方、同社では男性や若年層にもリーチしていくために、タクシー車内のサイネージやバス停広告などの交通広告に取り組むほか、若い世代に人気の総合格闘技「RIZIN」のメインスポンサーになるなど、各種イベントにも積極的に参加している。

　「『のむシリカ』の露出機会を増やすことで、見つけたら買ってみようという興味を喚起し、トライアルを促していく。それには小売店での展開が重要です。それゆえ、今後も小売業の方々と連携しながら、導入店舗を増やしていく予定です。高価格帯の天然水カテゴリーを定着させ、小売業の売上拡大にも貢献していきたいと考えています」（長谷川氏）

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