生産から輸入販売まで一貫管理 おいしく安全・安心なフルーツを消費者へ=ユニフルーティー
チリ産ブドウは店頭で映える新包材を採用
ワインで有名なチリは、温暖で乾燥した気候、豊富な伏流水、病害虫の少ない環境に恵まれており、高品質なブドウが栽培されている。ユニフルーティージャパンではもちろん自社園地で栽培のチリ産ブドウを中心に年間を通じてブドウを供給。今年は、黒6種、赤10種、ミドリ8種、珍種2種の合計26品種をラインアップ。旬のおいしいブドウを厳選して日本のマーケットに供給してきた。
23年からはチリブドウで、新企画のトップシーラーを採用。欧米ではトップシーラーのブドウ商品が増えているが日本では初の試みとなる。トップシーラーは密封することで鮮度が保たれるほか、表面に商品の情報が掲載できるため、パック日を印刷するなど、流通からの要望を取り入れたデザインを採用している。店頭でも並べやすく、色鮮やかなブドウをアピールすることで購買を促進することもできそうだ。さらに新包材は、20~30%のプラスチック削減にも貢献する。
同社では日本と季節が逆の南半球に農園を持っていることから、日本の旬シーズンと異なるもの、おいしいもの、珍しいもの、リーズナブルなものを積極的に提案している。
国産ミカンの旬の時期にあえてチリ産オレンジを投入
コロナ禍の家飲み需要拡大から、家庭でのレモンの消費量が増えている。そこで通常、1~2パックで販売されているレモンを同社では大容量パックで販売。マーケティングで協働しているジューススタンドバー会社の「ゴクゴク」と「おうちで本格レモネード」というコラボレーション企画を提案した。ゴクゴク監修のレモネードレシピを付けることで、簡単にレモネードがつくれることを店頭でアピール。シズル感のある鮮やかなパッケージで売場を華やかに演出した。小容量パックが基本のレモンは、大容量パックの珍しさもあって想定以上の反響だった。
新商材として同社が力を入れているのが、チリ産のオレンジ「ダブルマーコット」。晩秋からは国産ミカンが出回る時期で、各社が豪州産のイージーピールオレンジの販売を終了させていくなか、同社ではあえてチリから旬のオレンジを輸入。濃厚で甘い、おいしいフルーツであれば、たとえ国産ミカンの旬の時期でも需要が見込めると判断した結果だ。
「多くの輸入業者が売上や利益を考えて手を出しにくい商品でも当社ではチャレンジしていきます。数量や売上は意識せず、日本の消費者が好むかどうかが選択の基準です」(新規事業開発部シニアデパートメントマネージャー・馬場修一郎氏)
消費者にとっては「鮮度が高く、おいしいフルーツ」であることが最優先であるため、国産ミカンの需要期であっても、ある一定数の販売量は見込めそうだ。
さらに馬場氏は「過去に輸入されていた商品で、輸入者にとって、需要が落ちた、あまり儲からないなどが理由で販売を終了させた商品は多いが、当社では、どうせ売れない、という先入観は捨てて、日本の消費者にとってメリットのあるものを提案していきたい」と話しており、小売店の状況に応じてキメ細かく対応していく考えだ。
同社では、2023年2月15日~17日に開催される「スーパーマーケット・トレードショー2023」に出展予定で、主力のバナナのほか今回紹介したチリ産ブドウやジョージア産キウイなどを展示予定なので、「ぜひ、足を運んでもらいたい」と話している。