グルメスーパーの代表ウェグマンズ 最強をつくる4つの特徴

平山 幸江 (在米リテールストラテジスト)
Pocket

アメリカ北東部にしか店がないウェグマンズ(Wegmans)だが、その名は全米に知られ、日本からも視察が絶えない。高品質でヘルシーのイメージが強いが、実はアイテムを絞ってディスカウンターより安く売る「価格破壊者」という側面も持ち、顧客の圧倒的な支持を得ている。

スーパーマーケット業界の“指導者”的立場

 ウェグマンズは、1916年にニューヨーク州のカナダ国境に近いロチェスターにウェグマン兄弟が始めた青果店が前身だ。以後家族経営で着実に成長し、2017年からは4代目で創業者のひ孫娘のコリーン・ウェグマンがCEO兼社長を務める。

ウェグマンズ ブルックリン店
ウェグマンズ ブルックリン店

 同社は1993年以降ペンシルベニア州を皮切りにニュージャージーやメリーランド、マサチューセッツなどの近隣州に進出を果たす。2022年にはワシントンD.C.に出店して初めて大都市商圏に参入、23年10月にニューヨーク・マンハッタン内のユニオンスクエア近隣に出店した。

 現在10州111店舗(出店予定を含めて116)、年商は2023年度120億ドル、1ドル150円換算だと日本円にして約1兆8000億円、従業員数は5万3784人(ともにフォーチュン推定値)だ。

 ウェグマンズは郊外の比較的所得の高い層をコアターゲットとし、

続きを読むには…

この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。

DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。

記事執筆者

平山 幸江 / 在米リテールストラテジスト

慶應義塾大学、ニューヨーク州立ファッション工科大学卒業。西武百貨店勤務後1993年より渡米。伊藤忠プロミネントUSA(Jクルージャパン)、フェリシモニューヨーク、イオンUSAリサーチ&アナリシスディレクターを経て2010年より独立。日系企業の米国小売事業コンサルテーションおよび米国小売業最新トレンドと近未来の小売業をテーマに、ダイヤモンド・リテイルメディア、日経MJ他に執筆、講演会多数。

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態