標準店の1/4!ホールフーズ、都市型小型店の全貌

取材・文:平山 幸江 (在米リテールストラテジスト)
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米ホールフーズ・マーケット(Whole Foods Market)は9月18日、ニューヨーク中心部マンハッタンの高級住宅街アッパー・イースト・サイドに、小型フォーマット「ホールフーズ・マーケット・デイリーショップ(Whole Foods Market DailyShop:以下、デイリーショップ)」の1号店を開業した。

売場面積は標準サイズの4分の1以下という都市型小型店の位置づけで、オープン後から客足好調のようだ。売場の様子を現地からレポートする。

1号店の売場面積は840㎡

 7月に発表されたホールフーズの広報資料によると、デイリーショップは標準店の平均売場面積3700㎡に対して650~1300㎡と、最小では5分の1以下になるとされていた。米国では小型に分類される他の食品スーパー(SM)と比較しても(図表)、最もコンパクトなサイズ感である。

 実際、9月に開業した1号店の「レノックスヒルズ店」の売場面積はわずか840㎡。

 しかし、①窓や天窓を活用し自然光を取り入れる、②部門ごとに売場の壁面や什器のデザインを変える、③什器の棚や外枠に透明なアクリル板を多用する、といった工夫により、狭さよりも「商品がぎっしり詰まった売場を散策できる」という楽しさを感じることができる。

 入口付近には青果売場を配置し、そこからベーカリー、ジュースや乳製品、シリアルのコーナーへと展開されていく。売場奥は精肉、鮮魚、総菜だが、ホールフーズでおなじみの対面販売はなくすべてセルフである。

 このほか加工食品やヘルス&ウエルネス関連商品、若干の数ではあるが生活用品も販売している。

店舗最前部
店舗最前部は青果→ベーカリーとつながっていく

 また、売場手前側には

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取材・文

平山 幸江 / 在米リテールストラテジスト

慶應義塾大学、ニューヨーク州立ファッション工科大学卒業。西武百貨店勤務後1993年より渡米。伊藤忠プロミネントUSA(Jクルージャパン)、フェリシモニューヨーク、イオンUSAリサーチ&アナリシスディレクターを経て2010年より独立。日系企業の米国小売事業コンサルテーションおよび米国小売業最新トレンドと近未来の小売業をテーマに、ダイヤモンド・リテイルメディア、日経MJ他に執筆、講演会多数。

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