米ブラックフライデー商戦の混雑緩和、値引きは減少
[シカゴ 26日 ロイター]- – 米年末商戦の幕開けとなる「ブラックフライデー」の26日のセールには、肌寒い中でクリスマスプレゼントを求める買い物客が小売店に集まった。米大手小売業が商戦を早めたため、店舗は例年より混雑していなかった。
オンライン通販への移行や新型コロナウイルスへの懸念、大幅な値引きの減少を背景に、感謝祭休暇の翌日の混雑が緩和された。また、多くの買い物客は入店せずに、店舗の傍らで商品を受け取っている。
小売業大手ターゲットからブラックフライデーの手伝いを頼まれた掃除機販売員のイアン・コロレンコさん(29)は「多くの顧客は車で来店して店内に入らない。それが静かに見える理由の一つだと思う」とし、「こうした店の多くはブラックフライデーのセールを週の前半にしており、多くの人がオンラインで買い物をするようになっていると思う」との見方を示した。
気温が摂氏マイナス7度だった午前5時前、シカゴ近郊のキルボーンパークにあるウォルマート・スーパーセンターの店外で待っていた100人超の1人だった配達員のフランシスコ・マルティネスさん(22)は、3枚の服を重ね着していた。「350ドル引きになっている65インチのエレメントテレビが欲しい」とし、「数年前のような混雑はないし、買おうと思っている」と話した。
ウォルマートの従業員は行列した来店客に対し、アップルの「エアポッド」や腕時計、ゲートウェイのノートパソコンなどの商品のクーポンを配った。
ダニエラ・ランゲルさん(19)は午前2時に出勤して商品の在庫を補充し、買い物客が押し寄せる朝に備えた。
オンライン通販の普及に伴い、ブラックフライデーの混雑は緩和されており、特に2020年はまだ新型コロナワクチンを接種していなかったためコロナ感染を心配する人が多かった。
ウォルマート、ベスト・バイ、ターゲットは今年、ワクチンを接種した買い物客にマスク着用を義務付けなかった。一方、屋内型商業施設の一部は既存のマスク着用義務を維持した。
ロイターが訪れたシカゴ地区の店舗では、従業員と買い物客のいずれもおおむねマスクを着用していた。
不動産業者のケルシー・ハップさん(36)は長年、ブラックフライデーにはシカゴ中心部にある百貨店「メイシーズ」で買い物をしており、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が起きても続けた。ハップさんは「シカゴは比較的安全だし、マスクを着用しており、ワクチンも接種している。私は(ワクチンの3回目となる)ブースター接種も受けたのであまり心配していない」と語った。