[ワシントン 16日 ロイター] – 米商務省が16日に発表した10月の小売売上高(季節調整済み)は前月比1.7%増と、市場予想の1.4%を超えて増加した。増加は3カ月連続。供給の制約が続く中、年末商戦が早めに始まったことで押し上げられたとみられ、インフレ高進が消費支出を抑制していない可能性を示唆した。
前年同月比では16.3%増加した。
9月の小売売上高は0.8%増と、0.7%増から上方改定された。
BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サール・グアティエリ氏は「雇用や賃金などの堅調な伸び、多くの家計における貯蓄の増加はインフレによる購買力への影響を相殺するに十分」と指摘。「現時点で、消費者と経済の動向は堅調に今年を締めくくる見通し」と述べた。
内訳では自動車・部品が1.8%増と、前月の1.2%増から伸びが加速した。
ガソリンスタンドも3.9%増。ガソリン価格の高騰を反映した。
オンラインストアも4%増加した。
建築資材や家具、スポーツ用品、電化製品なども増加。一方、飲食店は横ばい、衣料品は0.7%減少した。
国内総生産(GDP)の個人消費項目に密接に関連しているとされる自動車、ガソリン、建設資材、外食を除くコア小売売上高は1.6%増。前月は0.5%増加していた。
ウェルズ・ファーゴ(ノースカロライナ州)のシニアエコノミスト、サム・ブラード氏は「供給が逼迫する中、小売店が買い物客に早めのホリデーショッピングを勧めていることから、一部の消費が前倒しされた可能性が高い」としている。