ウォルマート、広告配信プラットフォーム「ウォルマートDSP」を立ち上げ
米ウォルマートは8月25日、広告主向けの新たな広告配信プラットフォーム「ウォルマートDSP」を立ち上げると発表した。広告主はウォルマートの店舗やEC(インターネット通販)サイト、スマートフォンアプリでの消費者行動、購買履歴などのデータを活用して、さまざまなメディアにデジタル広告を配信できるようになる。
同社のデジタル広告部門、ウォルマート・コネクトを担当するシニア・バイス・プレジデント、リッチ・ラーフェルド氏が公式ブログで明らかにした。ウォルマートは10月末までに、取引先メーカーの一部にウォルマートDSPの提供を始める。
ウォルマートは今年1月、デジタル広告部門の名称をウォルマート・メディア・グループからウォルマート・コネクトに変更したが、その際に広告枠の自動買い付けプラットフォームを運営するザ・トレードデスク(カリフォルニア州)と提携したことを発表した。
ウォルマートDSPは、ザ・トレードデスクのDSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)でウォルマートが持つ消費者行動、購買履歴などのデータを活用できるようにしたもの。広告主はウォルマートのデータを活用しながら、ウォルマートの店頭に設置されたデジタルサイネージ(電子看板)や決済端末のディスプレー、ECサイト「ウォルマート・ドットコム」のほか、他社のウェブサイトやスマホアプリなどの広告枠を買い付けることができる。
ウォルマートが発表した2021年5〜7月期決算によれば、広告売上高は前年同期比95%増、広告主は2.7倍に増加した。同社は米国のほかメキシコ、インド、カナダ、チリでもデジタル広告事業を展開している。
ディスカウントストア大手ターゲットが、広告子会社ラウンデル(Roundel)の社長にグーグルの小売部門のマネジング・ディレクターだったサラ・トラビス氏を任命(就任は9月13日)するなど、米国の大手小売業ではデジタル広告事業を新たな収益源として強化する動きが広がっている。