米スーパーマーケット大手のアルバートソンズは3月5日、遠隔操作の電動カートを使った宅配の実証実験をカリフォルニア州北部で始めたと発表した。物流自動化技術のスタートアップ企業、トータス(カリフォルニア州マウンテンビュー)と共同で行う。
カメラとスピーカーを搭載した電動カートをオペレーターが離れた場所から操作し、アルバートソンズ傘下の「セーフウェイ」の店舗から利用者の自宅前まで商品を届ける。カートの最大積載量は120ポンド(約54キログラム)で、4つの鍵付き配送箱を積める。
カートは平均時速3マイル(約4.8キロメートル)で走行し、利用者の自宅前に到着するとテキストメッセージで知らせる。メッセージを受け取った利用者は、カート上の配送箱から自分で商品を取り出す。
実験の初期段階ではセーフウェイの社員に限定して電動カートによる宅配サービスを行い、配送時には人が付きそう。
アルバートソンズでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響でEコマースの利用が急増しており、2020年8〜11月期のデジタル売上高は前年同期比225%増、既存店売上高は12.3%増だった。
Eコマース商品の効率的な受け渡しが課題となっており、20年10月からはシカゴ地域の「ジュエル・オスコ」とサンフランシスコ湾岸地域のセーフウェイの一部店舗に受け取り専用ロッカーを設置し始めた。また、21年1月にはシカゴ地域のジュエル・オスコ店舗に無人の商品受け取り用キオスクを設置した。