米小売売上高、11月は1.1%減 コロナ再拡大で2カ月連続マイナス

ロイター
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米カリフォルニア州のマーケットで買い物をする人
米商務省が16日発表した11月の小売売上高は、前月比1.1%減と2カ月連続でマイナスとなった。市場予想の0.3%減を超える落ち込みだった。カリフォルニア州コマースで3日撮影(2020年 ロイター/LUCY NICHOLSON)

[ワシントン 16日 ロイター] – 米商務省が16日発表した11月の小売売上高は前月比1.1%減と、2カ月連続でマイナスとなった。市場予想の0.3%減を超える落ち込みだった。新型コロナウイルス感染の急増や所得の減少が重しとなったとみられ、パンデミック(世界的大流行)が引き起こした景気後退(リセッション)からの経済回復が鈍化している兆候が増している。

10月の小売売上高は当初発表の0.3%増から0.1%減へ下方改定された。2カ月連続の減少はコロナ感染第1波の抑制に向けた封鎖措置が導入された4月以来初めて。

ただ、11月の小売売上高は前年同月比では4.1%増だった。

ネーションワイドのシニアエコノミスト、ベン・エイヤーズ氏は「コロナ感染者数が依然ピーク近辺にあり、州・地方政府がここ数週間に制限措置を強化したことを踏まえると、小売売上高はさらに弱含むと予想する」と述べた。

PNCファイナンシャルのチーフエコノミスト、ガス・ファウチャー氏も、コロナワクチンの幅広い配布が景気支援に寄与する見通しとしつつも、「米経済は非常に厳しい局面に差し掛かかっている」と述べた。

内訳では、自動車・部品が1.7%減と、前月の変わらずからマイナスに転じた。

衣料品は6.8%減、外食も4%減。電子機器・家電は3.5%減、家具も1.1%減だった。

一方、食料品は1.6%増、建築資材・園芸も1.1%増だった。

オンラインストアは0.2%増と、前月の2.4%増から伸びが鈍化。一部エコノミストは、10月に開催されたアマゾン・ドット・コムの有料会員向けセール「プライムデー」によって11月分の売り上げが10月に流れた可能性があると指摘する。

また、自動車・ガソリン・建設資材・外食を除くコア小売売上高は0.5%減だった。10月は当初発表の0.1%増から0.1%減へ下方改定された。コア売上高は国内総生産(GDP)の個人消費の構成要素と密接に連動する。

米経済は2月に景気後退入りした。今月発表された11月の雇用統計では就業者数が6カ月ぶりの小幅な伸びとなった。12月5日までの週の失業保険申請件数は3カ月近くぶりの高水準となった。

米国では新型コロナの新規感染者が急増している。ロイターの試算によると、死者数は14日時点で30万人を超えた。多くの州や地方政府は新たな事業規制を導入している。一部の消費者はショッピング街やレストラン、バーを避けている。

レストランは夏の間、外の席を利用して営業していたが、寒気が到来し、客足が遠のいている。

失業保険の上乗せ措置が終わったことで事態はさらに悪化した。3兆ドルを超える政府の新型コロナ支援対策の資金はほぼ枯渇。12月26日に最低900万人の失業者や不完全雇用者に対する政府の給付支援が終わる。議会は新たな支援策でなかなか合意できない状態だ。

米連邦準備理事会(FRB)は16日、2日間の連邦公開市場委員会(FOMC)を終える。金利はゼロ付近に据え置き、追加で債券購入することを示唆することが見込まれる。

新型コロナのワクチン接種は始まったものの、多くの米国民にとって接種までに時間がかかるとみられる。コロナ感染が急増し、新たな支援策がない中、第4・四半期GDPが年率5%増を下回るとの見方が高まっている。

第3・四半期GDPは年率33.1%増となった。第2・四半期は31.4%減と、政府が統計を開始した1947年以来の大幅な落ち込みだった。

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