米CVSヘルス、カレン・リンチ氏がCEOに昇格、傘下の保険会社トップ
米CVSヘルスは11月6日、エグゼクティブ・バイス・プレジデントのカレン・リンチ氏が2021年2月1日付けで新CEO(最高経営責任者)に就任すると発表した。リンチ氏はCVSヘルスが2018年11月に690億ドル(7兆1700億円)で買収した健康保険会社エトナの社長を務める。
現CEOのラリー・メルロー氏は、業務引き継ぎのため戦略アドバイザーとして留まった後、5月開催予定の株主総会で取締役を退任する。メルロー氏は40年以上前にCVSの店舗で薬剤師として働き始めた生え抜きで、10年間、社長兼CEOを務めた。
CVSはウォルグリーン・ブーツ・アライアンスと並ぶドラッグストア大手だが、2007年に薬剤給付管理(PBM)大手のケアマークと経営統合して、CVSケアマークとなり、その後、社名をCVSヘルスに変更した。
メルロー氏は、CEO在任中に店内診療所「ミニット・クリニック」の事業を拡大するなど、ドラッグストア企業から総合ヘルスケア企業への脱皮を進め、エトナ買収がその総仕上げとなった。
新CEOとなるリンチ氏は、監査法人のアーンスト&ヤングで公認会計士として社会人のキャリアをスタート。保険大手シグナの幹部やマネージドケア大手マゼランヘルスサービスの社長を経て、2012年にエトナに入社した。
CVSヘルスの2020年度第3四半期(7−9月)の業績は、売上高が前年同期比3.5%増の670億ドル、営業利益が11.0%増の32億ドル、純利益が20.0%減の12億ドルだった。セグメント別では、PBMや保険などヘルスケア事業の売上高が8.8%増の186億ドル、調整営業利益が24.1%減の10億ドル。ドラッグストアが中心のファーマシー事業の売上高が0.9%減の357億ドル、調整営業利益が12.5%増の16億ドルだった。