アマゾン、米食品卸・小売り「スパルタンナッシュ」の新株予約権を取得
米食品卸・小売りのスパルタンナッシュ(SpartanNash、ミシガン州グランドラピッズ)は、米アマゾン・ドットコムに対して新株予約権(ワラント)を発行した。アマゾンは決められた行使価格で上限544万株のスパルタンナッシュ株を取得することができる。
スパルタンナッシュが10月8日に米証券取引委員会(SEC)に提出した報告書で明らかになった。行使期限は2027年10月で、544万株全てを取得した場合、アマゾンはスパルタンナッシュの株式の約15%を保有する筆頭株主となる。
スパルタンナッシュは2016年からアマゾンに食品を供給している。食品小売市場での存在感を高めているアマゾンと資本関係を結ぶことは、スパルタンナッシュにとって売上げ拡大のチャンスが広がる。
一方アマゾンは、EC(インターネット通販)だけでなく「アマゾン・ゴー」や「アマゾンフレッシュ」など食品小売店舗の出店を増やしており、食品の主要サプライヤーとしてスパルタンナッシュとの関係を強化する狙いがあると見られる。
スパルタンナッシュは食品卸事業以外に、「ファミリーフェア」「マーティンズ・スーパーマーケット」などの店名で150店舗超の食品スーパーを展開している。同社の20年2〜7月期の業績は、売上高が前年同期比11.1%増の50億ドル(約5300億円)、営業利益が89.3%増の5600万ドル、純利益は約67倍の4386万ドルと好調だった。売上げ構成比は、食品卸が49%、小売りが28%、米軍基地内の売店が23%となっている。