米年末商戦、オンライン売上増加 富裕層の支出堅調=デロイト予想
[15日 ロイター] – コンサルティング会社デロイトによると、今年の年末商戦時期の米小売り売上高は、新型コロナウイルスの影響により、少なくとも過去10年で最も低い伸びが見込まれる。ただ、富裕層の購買意欲が旺盛なほか、ネット販売の好調が見込まれる。
デロイト予想では、年末商戦期の米小売売上高は1─1.5%増加し、最大1兆1500億ドルに達する。オンライン販売は25─35%と急増する。
小売売上高の伸びは前年を下回るものの、新学期時期の予想外に好調な支出や前年を上回る貯蓄率を背景に、感謝祭からクリスマス時期にかけて小売売上高の堅調が見込めるという。
デロイトの米小売り部門担当者、ロッド・サイズ氏は「高・中所得層の多くは失業の影響を受けておらず、年末商戦期の支出は2─3%増加する」と指摘した。
一方、低所得層の支出は、新型コロナウイルスの影響が長引き政府補助も枯渇する中、ほぼ横ばいか1%の増加にとどまる見通し。
実店舗の売上高は最大3.4%の減少が見込まれる。
7月の米個人消費支出は前月比1.9%増と市場予想の1.5%増を上回り、回復の兆しがみられた。ただ、2月の水準は依然4.6%程度下回っている。
消費者は買い物回数を減らそうとするため、大手小売りチェーンの売り上げ増が見込まれるという。
ウォルマートやターゲット、ホーム・デポなどは、新型コロナ感染拡大を受けたオンライン販売の急増で売上高は既に好調。ただ、アナリストは、年末商戦期にサプライチェーンで混乱が生じる可能性があると指摘する。
昨年の年末商戦期の小売売上高は4.1%増加。デロイトの予想は4.5─5%増加だった。