英テスコ、ポーランドから撤退、301店舗をデンマーク小売大手に売却
英スーパーマーケット最大手のテスコは6月18日、ポーランド事業の大半をデンマーク小売大手売サリンググループ(Salling Group)に1億8100万ポンド(約238億円)で売却することで合意したと発表した。これにより、テスコはポーランドから撤退する。
テスコのポーランド事業の2020年2月期の売上高は13億6800万ポンド(付加価値税を除く)、営業損失は2400万ポンドだった。ポーランドでは18年に小売店の日曜営業を原則禁止とする法律が施行されたこともあり、業績が低迷していた。
ポーランド事業のうち、301店舗と物流センター、本社ビルをサリンググループに売却する。独占禁止法当局の承認を得て、21年2月期中に売却手続きを完了させる予定だ。今回の事業売却で合意する以前に、テスコはポーランド内の22店舗を売却。この他、事業売却に含まれない19店舗があるが、これらの店舗も別途売却して完全撤退する。サリンググループはテスコから取得した店舗を、子会社が運営するディスカウントストア業態「ネットー(Netto)」に転換する計画だ。
テスコは低収益の海外事業から撤退し、本国の英国などに経営資源を集中させている。20年に入り、2月には中国合弁会社の株式を合弁相手である中国国有企業のチャイナ・リソーシズ・エンタープライズ(華潤創業)に売却し、中国市場から完全徹底することを表明。3月には、タイとマレーシアの事業をタイのチャロン・ポカパン(CP)グループに10億6000万ドル(約1兆8000億円)で売却することで合意した
テスコの中央ヨーロッパ地域での売上高は、20年2月期に前期比12%減の減収だったが、ポーランド子会社の不振が大きな要因。今後は、チェコとハンガリー、スロバキアの3カ国で事業を続ける。