米国の年末商戦で伸びたAI商品検索、2025年は?
パーソナライズされたAI会話アシスタントの導入も進む
前述のアドビ・アナリティクスの調査では、5000人の米消費者を対象に聞き取り調査も実施しているが、回答者の39%が「実際にAIショッピングを体験したことがある」と答え、53%が「25年中に試してみたい」と述べたことは特筆される。
実際にAIで買物をした回答者の目的を複数回答でたずねたところ、55%が商品調査と答えた。次いで、47%がおススメ商品を聞くため、43%がセール品を見つけるため、35%が贈り物のアイデアを得るため、35%がユニークな商品を見つけるため、そして33%が買い物リストを作成するためと回答している。
小売側の視点からこの結果を分析すると、自社サイトで生成AIチャットボットを提供する場合に、どのようにAIを訓練すべきかの示唆が得られる。AIアシスタントは、顧客と「対話」するため、商品に関するデータや評価、用途、どのような場面でのプレゼントとして適しているかなど、細やかな知識と情緒的な直観に基づく候補の提示が求められている。
そのため、自社サイト以外の生成AIサイトに対し、それぞれの生成AIエンジンが自社商品について正確で常に新しい情報を質問者に返せるよう、自社商品に関する情報をアップデートし続ける必要がある。つまり、「従来型のオンライン商品カタログの提供から、AIチャットボットが会話の資料として参照できるだけのデータを、AIによる会話向けに編集・公開しておく必要があるのだ。
こうした中、米アマゾン(Amazon.com)は、アプリを利用するユーザーが100以上のカテゴリーの商品群から自身の興味、予算上限、好みに関するプロンプト(命令)を入力すると、インタレスト(Interests)と呼ばれるAIアシスタントがユーザーが探していると思われる商品を探し出して提示するサービスを試験的に導入している。
インタレストは、「コーヒー党向きの焙煎用品を探して」「有名ブランドがサマーシーズン向けに出した新着のナチュラルメークの商品を教えて」など人間と会話する要領でプロンプトを入力するユーザーの要望に対応して、「対話」をしながら候補を示したり、新着商品や値下げの通知を送ったり、欠品の在庫が入荷すれば知らせたりすることができる。
米国では25年に、こうしたAIショッピングの導入が加速する年になろう。





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