米クローガー、料理宅配サービス「デリバリーキッチン」開始、ベンチャー企業と連携
米スーパーマーケット最大手のクローガーは12月2日、料理宅配サービス「クローガー・デリバリーキッチン」を始めた。ベンチャー企業のクラスタートラック(ClusterTruck、インディアナ州インディアナポリス)と連携し、注文を受けた料理を配達料無料で届ける。
クラスタートラックは2015年創業で、米国で「ダークキッチン」と呼ばれる事業を展開する。共用の厨房と受注システム、オンデマンド型の配送プラットフォームを提供、事業者はダークキッチンの共用厨房で料理を作り、同社のシステムと配送プラットフォームを使って注文客の自宅やオフィスに料理を届ける。
クローガーは、デリバリーキッチンの専用サイトで注文を受け付け、インディアナ州カーメルにクラスタートラックと共同で開設した厨房、およびクラスタートラックがインディアナポリスとオハイオ州コロンバスに持つ共用厨房で料理を作る。できあがった料理は、「キャリア」と呼ばれるクラスタートラックと契約した個人ドライバーが注文客に届ける。注文を受けてから料理を作り始め、平均で30分以内に配達することができるという。
クラスタートラックの専用アプリからも、クローガー・デリバリーキッチンの料理を注文することが可能。また、クローガー傘下のキングスーパーも、コロラド州デンバーにある共用厨房を使って「キングスーパー・デリバリーキッチン」を始める予定だ。
ダークキッチンは、少ない初期投資で出前専門のレストランを始められるビジネスモデルとして注目を集めている。ウーバーイーツやポストメイツなどの出前代行サービスが広がっていることも、ダークキッチンの普及を後押ししている。
クローガーは直営レストラン「キッチン1883」をスーパーマーケットに併設して2店舗運営、11月に入って3店舗目となる初の独立型店舗をオハイオ州にオープンするなど、レストラン事業を拡大しようとしている。