アメリカ発酵飲料市場 スタバもコカ・コーラも注目する、モンゴル発祥の“コンブチャ”とは!?
スタバもコカ・コーラもコンブチャに注目
Journal of Medicinal Foodが2014年に発表した論文によれば、コンブチャは発酵過程に生まれる代謝産物や抗酸化物質が免疫を高め、血行の改善や整腸作用などの健康を促進できる可能性があると結論づけている。マンゴーや紅茶味、ミント味など味も豊富にあるが、ベリー系と生姜味が特に人気だという。最近は食料品店だけではなく、コンブチャの専門バーが出てきたり、特にビーガンやオーガニックを掲げていないレストランやカフェでも、コンブチャがドリンクメニューに一部入ってきている。
昨年、人気コーヒーチェーンのスターバックスでも、コンブチャの独自ラインを作り、アメリカの一部の食料品店で販売し始めた。その年、スターバックスの最高経営責任者Kevin Johnson氏はCNNのニュースで「スターバックスには、これからもっと健康的な飲み物を売って欲しい。消費者も、機能性飲料を探していると思う。コンブチャはまさに消費者が求めているものだ」と語った。また、アメリカ飲料大手コカ・コーラも、去年MOJOコンブチャ という飲料を手がけるオーストラリアのコンブチャメーカーOrganic & Raw Tradingを買収した。コカコーラは、ブランドのポートフォリオを拡大し、ソーダに替わる、より健康的なブランドに投資をしている。
急拡大するケフィア ヤギのミルクや豆乳からできたものも
コンブチャに次いで人気があるのが、ヨーグルトに似た発酵飲料のケフィアだ。一般的なヨーグルトは乳酸菌のみで発酵して作られているのに対し、ケフィアは乳酸菌と酵母で、主に牛乳を発酵させた発酵乳で、長寿地域として世界的にも有名なコーカサス地方(黒海とカスピ海に挟まれたエリア)では、昔から常食されてきた。アメリカでは、牛乳の販売量が年々減少傾向にあり、乳製品の産業が急速に衰退してきているが、食品調査の世界大手Innova Market Insightsの調査では、発酵乳製品の売上は2011年から2016年の間に、3倍以上伸びているという。
最近では、牛乳で作ったケフィアだけではなく、ヤギのミルク、アーモンドミルク、ココナッツミルク、豆乳などからできたケフィアも登場。ケフィアはヨーグルトよりも、プロバイオティックスの種類を多く含んでいて、整腸作用、美肌効果、免疫力の向上などに有益だと言われている。次のトレンドとして、UpserveのRyanさんは、「ウォーターケフィアが流行ると思う」と話す。ウォーターケフィア(別名:黒砂糖キノコ)は、ウォーターケフィアグレインと呼ばれる種菌から作られる発酵プロバイオティックス飲料で、ほんのりした甘みと、ヨーグルトに似た酸味があるのが特徴だ。30種類以上の有益なバクテリアと酵母、ビタミンC、ビタミンBなどが豊富に含まれている。
コンブチャもケフィアもヘルシーな飲料として、アメリカの小売市場では完全に定着している印象だが、昔から数多くの発酵食品がある日本でも、こうした発酵飲料が地位を築くことはできるのか、注目したい。