流通・小売市場占有率2025 全業態で市場規模拡大、上位集中加速!

北野 裕子 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

長引くインフレで市場規模は拡大傾向

 2022年ごろから顕著になったインフレは、依然として収束の気配が見えない。消費者、企業双方に与える影響は甚大で、物価上昇や水道光熱費、物流費用などの各種コスト増を引き起こしている。さらには賃上げによる人件費増も重なり、小売業の経営環境は厳しさを増す一方だ。

 中でもこの先懸念されるのが、食品を中心とする値上げラッシュの再来だ。帝国データバンクは、25年10月に飲料・食品3024品目が値上げされると発表している。それ以降に値上げが予定されている品目を合わせると、25年中に値上げが行われる品目は2万品目を超えるという。

 24年度決算では、インフレ下で商品単価が上昇し、食品を扱う小売業の多くが売上を伸ばした。他業態でも同様の動きが見られており、増収となった企業が増えている。一方、利益面では各種コスト増や人手不足といった経営環境の変化に対応しきれず、減益となった企業が多かった。

 本特集では、小売・流通主要10業態の市場規模および売上上位企業の寡占化率を算出している。全体の傾向を見ると、すべての業態で、上位企業が牽引するかたちで市場規模が拡大。それに伴い、寡占化が着実に進んでいることが示された。

高成長続けるDgS HC、CEは復調傾向

トライアルHDは25年7月、西友を完全子会社化した
トライアルHDは25年7月、西友を完全子会社化した

 ダイヤモンド・チェーンストア誌調査による食品スーパー(SM)業態の24年度の市場規模は

この記事をさらに読むと、長引くインフレによる市場の変化と、それに伴う小売業界の最新の再編動向、特に巨大グループによる寡占化の加速と今後の競争の焦点について理解することができます。

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記事執筆者

北野 裕子 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

兵庫県出身。新聞社を経てダイヤモンド・リテイルメディアに入社し、ダイヤモンド・チェーンストア編集部に所属。

趣味は国内の海や湖を巡り、風光明媚な場所を探すこと。おすすめのスポットは滋賀県の余呉湖、山口県の角島大橋。

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