米アマゾン、第2四半期は5年ぶり営業赤字も 新型コロナ対応費かさむ

ロイター
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アマゾンの荷物
米アマゾン・ドット・コムが30日発表した第1・四半期(3月31日まで)決算は、新型コロナウイルス感染拡大を受け生活必需品の注文が増加したことで増収となった。コロラド州デンバーで22日撮影(2020年 ロイター/KEVIN MOHATT)

[30日 ロイター] – 米アマゾン・ドット・コムが30日発表した第1・四半期(3月31日まで)決算は、新型コロナウイルス感染拡大を受け生活必需品の注文が増加したことで増収となった。ただ第2・四半期については、新型ウイルス感染拡大への対応費として約40億ドルを振り向けるとし、5年ぶりの営業赤字に転落する可能性があると警告した。これを受け、時間外取引で株価は5%下落した。

第1・四半期の売上高は前年同期比26%増の755億ドルで、リフィニティブがまとめたアナリスト予想の736億ドルを上回った。

クラウドサービス「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」の売上高は33%増の102億ドルだった。ただ、アナリスト予想の103億ドルはわずかに下回った。

利益は前年同期の36億ドルから25億ドルに減少した。

第2・四半期については、売上高が最大28%増加し、810億ドルになるとの見通しを示した。

ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は声明で「現在の危機は当社の事業の対応力や耐久性を示している一方で、これまで直面した中で最も厳しい時期となっている」と指摘した。

第2・四半期は、営業損益が15億ドルの損失から15億ドルの利益の間になると予想した。

ベゾスCEOは「通常の状況下なら、第2・四半期の営業利益は40億ドル程度、もしくはこれを超える水準になるはずだった。ただ現在は通常の状況下にはない。アマゾンは顧客に商品を届け、従業員の安全を守るために40億ドル、もしくはこれ以上の額を新型ウイルス感染拡大に対応するための費用として振り向ける」と述べた。

ブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は決算後の電話会議で、第2・四半期に従業員のウイルス検査体制を整えるため3億ドルを支出すると説明した。最終的には社内で幅広く検査が行えるようにするとし、その年間コストは10億ドルに達する可能性があるとの見方を示した。

さらに、注文の増加に対応するため17万5000人を新たに雇うためのコストも発生すると述べた。

インベスティング・ドット・コムの米市場アナリスト、キム・カーン氏は「アマゾンは、今のように利益を稼ぎ出せるようになる前に、全ての資金を成長のために使い、そうして確固たる地位を築いた。ロックダウン(都市封鎖)期間も同じようなことを行っているが、再び勝者になるだろう」と指摘した。

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