平和堂の2025年度中間決算は増収増益! 北陸エリアでの出店拡大を示唆

2025/10/03 14:43
植芝 千景 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

平和堂(滋賀県)が2026年2月期第2四半期の連結決算を発表した。前期通期では増収減益となったが、上期は連結・単体ともに増収増益。既存店好調や新規出店・店舗承継による売上増が収益を押し上げた格好だ。人件費や物流費の上昇といった逆風が依然と続く中、中期経営計画で掲げた重点戦略が着実に成果を上げている。

ビバシティ彦根外観
ビバシティ彦根

新店・既存店の好調が増収・増益に寄与!

 平和堂の26年2月期第2四半期連結決算は、営業収益が2235億円(対前期比5.4%増)、営業利益が64億円(同7.8%増)、経常利益が66億円(同8.1%増)、当期純利益が34億円(同9.0%増)だった。

 平和堂単体の業績も、営業収益2049億円(同5.1%増)、営業利益56億円(同6.9%増)で、連結・単体ともに増収増益となった。
増収の主因は既存店の好調だ。頻度品での価格訴求のほか、大容量パックの展開などが功を奏し、客単価が伸長。上期累計の既存店売上高は同3.1%増となった。また、25年4月に開店した「フレンドマート八日市妙法寺店」(滋賀県東近江市)の出店効果、食品製造子会社ベストーネ(滋賀県)の業績好調も営業収益を押し上げた。25年8月に吸収合併した丸善(滋賀県)が運営する食品スーパー「マルゼン」6店舗の売上が加わったことも、全体の増収に寄与した。

 増収による売上総利益の増加が、人件費や販売促進費など販管費の増加を吸収し、営業利益率は同2.9%増。加えて、アミューズメント施設運営のユーイング(滋賀県)売却に伴い3億円の特別利益を計上したことにより、最終利益を押し上げた。

子育て世代の支持拡大で客単価が上昇

 平和堂では現在、25年2月期を初年度とする第5次中期経営計画が進行中で、重点戦略として「子育て世代ニーズ対応による顧客支持の獲得」「生産性改善を含むコスト構造改革の推進」「ドミナント戦略を基盤としたHOP経済圏の拡大」を推進している。

 「子育て世代ニーズ対応による顧客支持の獲得」では30代~40代を中心とする子育て世代の支持拡大をねらい、頻度品の価格訴求を強化した。同時に大容量パックを拡充し、客単価を底上げした結果、30代~40代の客単価が同4.2%伸長した。

 「生産性改善を含むコスト構造改革の推進」では、ベストーネのプロセスセンター・デリカセンターを活用し、店舗における生鮮部門の総労働時間も同98.5%に抑えている。また、人件費上昇に対応するため、パート社員を部門責任者に登用する施策を強化。25年8月までに518人が教育プログラムを修了している。

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記事執筆者

植芝 千景 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

同志社大学大学院文学研究科(国文学専攻)修士課程修了後、関西のグルメ雑誌編集部を経て、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。関西小売市場やDX領域を中心に取材・執筆を担当している。現在は大阪府在住。

まとまった休日には舞台・映画鑑賞を楽しむほか、那智勝浦へ弾丸旅行に出かけることも。世界各国の家庭料理を再現するのも趣味のひとつだが、料理に入れたスパイスで歯が欠けたので今は控えめに取り組んでいる。

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