平和堂の2025年度中間決算は増収増益! 北陸エリアでの出店拡大を示唆

2025/10/03 14:43
植芝 千景 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

北陸で総合スーパー”以外”の出店拡大を検討

 「ドミナント戦略を基盤としたHOP経済圏の拡大」にも取り組む。平和堂は24年7月にクーポン配信や電子決済機能を備えた「HEIWADO HOPアプリ」をリリースし、25年7月時点で登録会員数は105万人に達した。アプリを通じた情報発信やワントゥワンマーケティングを実施し、「HOP経済圏」の構築を着実に進めている。

 ドミナント戦略としては、新規出店と既存店改装を軸に商圏シェアの拡大を図る。25年2月に「フレンドマート能登川店」(滋賀県東近江市)を改装し、同4月には「フレンドマート八日市妙法寺店」(同)を開業。東近江エリアでの存在感を一段と高めた。

 さらに決算発表会見では、北陸エリアへの出店戦略についても言及があった。平松正嗣社長は「北陸エリアではこれまで専門店を出店せず、総合スーパーの『アル・プラザ』のみを展開してきた。現在は『戦艦』のみがある状態で、『軍艦』がなければ成長は難しい。主要都市である金沢市や富山市において、周り(専門店出店の可能性)についても見ていかなければならない」と述べ、食品スーパー「フレンドマート」を含む、総合スーパー以外のフォーマットを展開する可能性があることを示唆した。

 25年8月末時点での店舗数は161店舗で、下期は10月31日に「フレンドマート今堅田店」(滋賀県大津市)、冬には愛知県稲沢市の商業施設に「ニッケタウン稲沢店(仮称)」を居抜きで開業する計画である。

 平和堂はこれらの重点戦略を下期でも継続し、通期の業績予想では営業収益4560億円(対前期比2.7%増)、営業利益145億円(同2.7%増)、経常利益156億円(同2.6%増)、当期純利益108億円(同6.2%増)を見込む。

1 2

記事執筆者

植芝 千景 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

同志社大学大学院文学研究科(国文学専攻)修士課程修了後、関西のグルメ雑誌編集部を経て、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。関西小売市場やDX領域を中心に取材・執筆を担当している。現在は大阪府在住。

まとまった休日には舞台・映画鑑賞を楽しむほか、那智勝浦へ弾丸旅行に出かけることも。世界各国の家庭料理を再現するのも趣味のひとつだが、料理に入れたスパイスで歯が欠けたので今は控えめに取り組んでいる。

関連キーワードの記事を探す

© 2025 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態