米小売売上高、7月は1.2%増で予想下回る 前月から大幅鈍化
[ワシントン 14日 ロイター] – 米商務省が14日発表した7月の小売売上高は、前月比1.2%増と6月から大きく減速し、市場予想の1.9%増も下回った。国内で新型コロナウイルスの感染拡大が続き、週600ドルの失業給付上乗せ措置が7月末に失効する中、小売売上高の伸びは今後さらに鈍化する可能性がある。
6月は新型コロナ流行で停止状態にあった経済活動の再開に伴い、8.4%増(上方修正)の大幅な伸びを記録していた。
MUFGのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は、ウイルス感染抑制に向けた封鎖措置再導入による経済活動への打撃は大きく、連邦政府による失業給付上乗せ措置失効も圧迫要因とし、「パンデミック(世界的大流行)は収束しておらず、議会と大統領が初期の景気回復への支援策で早急に合意できなければ、リセッション(景気後退)が収まることもない」と述べた。
内訳では自動車が1.2%減と、前月の6.1%増からマイナスに転じた。趣味や書籍、建設資材なども減少した。
一方、電化製品は22.9%増。コロナ流行を受けた在宅勤務の拡大に伴う需要増を反映した。
レストランなどの外食も5%増。しかし、前月の26.7%増からは大幅に鈍化した。
オンライン通販などの無店舗小売は0.7%増、衣料品は5.7%増、家具は横ばいだった。
自動車・ガソリン・建設資材・食品サービスを除くコア小売売上高は1.4%増と、前月の6%増から鈍化した。コア売上高は国内総生産(GDP)の個人消費の構成要素と密接に連動する。
第2・四半期の米GDP速報値は年率換算で前期比32.9%減と、統計開始以来の落ち込みを記録。消費支出が年率34.6%減となり、全体を圧迫した。小売売上高が減速傾向にあるものの、消費支出は第3・四半期に持ち直すとの見通しに変更はない。