西暦下一桁「3」の年は冷夏になる!? 2023年の気候展望とウェザーMDの注意点まとめ

常盤 勝美 (True Data流通気象コンサルタント)
Pocket

ウェザーMDを実践するにあたっての注意点

 もちろん、天候要因以外も、為替変動や感染症の流行状況、地政学リスクなど、考慮しなければならない事柄は山積です。とはいえ、

暑いと感じる=体温の上がり過ぎに関する体からのメッセージ=冷たいものを好む
寒いと感じる=体温の下がり過ぎに関する体からのメッセージ=温かいものを好む

 という基本法則は常に成り立ちます。

 ラニーニャ現象が発生していた2022年に対して2023年は、状況が少し異なることを前提とした品揃えを意識しておくことも重要です。たとえば冷夏傾向となった場合はどういった商品を注目すべきか、当社True Dataの購買データに基づき、気温が低い時に好まれるトップ10カテゴリをピックアップすると、以下のとおりです。秋冬向きの商品が多いのですが、夏場であっても冷夏傾向であればこれらのカテゴリはチャンスがあるはずです。

 近年の気候変化の特徴で「極端気象」というワードがよく使われます。以前に比べて気温、降水量など様々な気象要素において、通常時からの振れ幅が非常に大きい現象が起こりやすくなっています。そのような難しい状況の中、気候に振り回されることなくうまく活用していただけるよう、是非参考になさってください。

1 2 3

記事執筆者

常盤 勝美 / True Data 流通気象コンサルタント

株式会社True Data 流通気象コンサルタント  神奈川県小田原市生まれ。

大学で気候学、気象学を専攻した後、20年以上にわたり民間気象情報会社にて、コンビエンスストア、スーパーマーケット、食品メーカーなどに対してウェザーマーチャンダイジングの指導などを行う。現在は株式会社True Dataに所属し、流通気象サービスを推進している。著書に「だからアイスは25℃を超えるとよく売れる」(商業界)など

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態