包装容器、SDGs対応必須の時代 「リユーザブル・パッケージ」「パッケージフリー」とは何か?

松岡 由希子 (フリーランスライター)
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リユーザブル・パッケージ

 リユーザブル・パッケージとは、商品を保護する機能を損なうことなく長期間にわたって繰り返し利用できるように設計された包装容器である。近年、使い捨てプラスチックの削減に向けたソリューションとして活用が広がってきた。

 リユーザブル・パッケージを活用した代表的な循環型ショッピングプラットフォームが「ループ(Loop)」だ。ECや提携する小売企業の店舗を通じ、加工食品、飲料、洗剤、シャンプーなどの日用消耗品を耐久性の高いリユーザブル・パッケージで販売。使用済みのパッケージは消費者から回収して、洗浄した後、再び商品が充填される仕組みだ。ネスレ(Nestlé)、ペプシコ(PepsiCo)、ユニリーバ(Unilever)といった大手消費財メーカーのほか、米クローガー(Kroger)、英テスコ(Tesco)仏カルフール(Carrefour)、イオン(千葉県/吉田昭夫社長)らの小売大手もこのプラットフォームに参画している。

テスコの専用ボックスで「ループ」の使用済みパッケージを返却する様子
テスコの専用ボックスで「ループ」の使用済みパッケージを返却する様子

 テスコでは、20年7月からネットスーパーで「ループ」の商品を試験的に取り扱い、一定の成果が得られたことから、21年9月、イングランド東部の10店舗でも販売を開始した。店舗では「ループ」の専用売場を配置し、使用済みのパッケージを回収する専用ボックスも設置。テスコのプライベートブランド(PB)商品35品目を含む88品目を取り扱い、今後、品揃えをさらに拡充していく方針だ。

 仏市場調査会社レポートリンカー(ReportLinker)によると、リユーザブル・パッケージの世界全体の市場規模は

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記事執筆者

松岡 由希子 / フリーランスライター

米国MBA 取得後、スタートアップの支援や経営戦略の立案などの実務経験を経て、2008年、ジャーナリストに転身。食を取り巻く技術革新や次世代ビジネスの動向をグローバルな視点で追う。

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