「第3回サステナブル・リテイリング表彰」ファミリーマート、コープさっぽろ、寺岡精工が受賞!
コープさっぽろの子育て支援における「循環型支援」モデル
コープさっぽろは「子育て支援」の施策で、「明るい未来支援賞」を受賞した。
同生協は、2010年6月に「コープ子育て支援基金」を創設し、現在「子育て応援プロジェクト」として活動を展開している。このプロジェクトは、環境・経済・社会の調和を目指し、家庭での親子のふれあいを大切にしながら、次世代を担う子どもたちの成長を支援する取り組みである。活動の財源は、組合員から回収された資源物をリユース・リサイクルし、その収益を活用する「循環型支援」という独自の仕組みに基づいている。
子育て支援の具体的な取り組みとしては主に以下の3つが挙げられる。
1.えほんがトドック
コープさっぽろの組合員に対し、無償で絵本をプレゼントする取り組みを10年から行っている。1~2歳の子供または孫を持つ組合員が対象で、1年間で合計8冊の絵本を届ける。23年までの累計申込世帯数は13万世帯以上にのぼり、58万3072冊の絵本が配布されている。23年4月からは、期間内の配布冊数を4冊から8冊に増やした。
2.えほんわくわくキャラバン
絵本を通じた交流や学びの場を提供し、子どもたちの感性や成長をサポートすることを目的として、保育園や幼稚園で絵本の読み聞かせを行っている。23年度は178の施設を訪問し、2万4830名の子どもたちが参加した。
3.ファーストチャイルドボックス・コープチャイルドボックス
第1子を妊娠中の組合員への支援として、ベビー服やおむつなど約30点(約6万円相当)を「ファーストチャイルドボックス」として無償でプレゼントしている。18年から23年までに累計6万9651人がこのサービスを利用した。19年からは第2子以降にも対象を広げている。
コープさっぽろでは、組合員から回収した資源物を集めてリサイクル処理を行う「エコセンター」を自前で所有し、その収益を子育て支援に充てている。23年度の資源リサイクルによる収益は約2.7億円、同年度の回収実績は3万4942トンに達し、2万2085トン相当のCO2削減につなげている。なおエコセンターでは2008年の設立以降、累計で47万8518トンの資源を回収しており、これは北海道の人口136万人分の年間ゴミ排出量に匹敵する量である。
加賀田和弘氏(小樽商科大学商学部准教授)は「単なる資源回収にとどまらず、コープさっぽろは自前でエコセンターを完備し、そこで得た収益を手厚い子育て支援策の提供に充てるという循環型支援モデルを実現している点が高く評価できる」とコメントした。