「第3回サステナブル・リテイリング表彰」ファミリーマート、コープさっぽろ、寺岡精工が受賞!
第3回の審査結果は以下の通りである。
今回は、「食支援ネットワーク賞」として、ファミリーマート(東京都/細見研介社長)の「ファミマフードドライブ~全国3500通りの支援モデルの構築により、国内最大級のネットワークでフードドライブを展開、食支援と食ロス削減を促進~」が、「明るい未来支援賞」として生活協同組合コープさっぽろ(北海道/大見英明理事長)の「資源回収から得た収益を組合員さんに循環させる子育て支援」が、「資源循環賞」として寺岡精工(東京都/山本宏輔社長)の「店舗と消費者が連携するペットボトルの資源循環」が受賞した。
店舗網を生かしたファミリーマートのフードドライブ
順に各施策を紹介していきたい。
まず、「食支援ネットワーク賞」を受賞したファミリーマートの「ファミマフードドライブ~全国3500通りの支援モデルの構築により、国内最大級のネットワークでフードドライブを展開、食支援と食ロス削減を促進~」は第1回から継続して応募が寄せられており、これまでのファミマフードドライブの取り組みが定着し、全国的に広がっている点が高く評価され受賞に至った。
ファミリーマートは2021年4月から、「ファミマフードドライブ」を展開している。これは、家庭で余った食品を同社の店舗に寄贈者が持ち込み、NPOや社会福祉協議会などの協力団体を通じて、地域のこども食堂やフードパントリーに寄付する取り組みだ。活動は全国47都道府県に展開するファミリーマートの店舗ネットワークを活用し、地域の食支援および食品ロス削減をめざしている。
「この活動のねらいは、ファミリーマートの事業特性を活かし、地域に貢献するサステナビリティ活動を推進することだ」と同社の応募担当者は説明する。店舗で気軽に食品を寄付できる仕組みで、寄贈者や協力団体にとっても負担の少ない形で持続可能な運用を行うことができる。また、賞味期限2カ月以上の常温保存が可能な食品を受付対象にしている。そのため、店舗の担当者の回収負担が軽減されている点も特徴的だ。
24年7月時点で、3716店舗がこの取り組みに参加し、累計寄贈量は202トン以上に達している。この量は茶碗約133万杯分に相当し、もし廃棄されていた場合のCO2排出量は260トンに及ぶ。
地域社会に貢献する新たなモデル
「ファミマフードドライブ」は、全国に店舗展開をしているファミリーマートの事業特性と寄贈者、加盟店、協力パートナーのそれぞれにとって負担が少ない仕組みを構築した。そのため急速に広がりを見せ、フードドライブのネットワークとして、国内最大級規模まで成長した。
ファミリーマートのフードドライブは今後も消費者が気軽に寄付できる仕組みを提供し、持続的かつ地域に寄り添った形での食支援の輪を生み出していくことをめざす。
選考委員の間でも、同社の取り組みがすでに多くの寄贈実績やCO2削減への効果につながっているだけでなく、成果を定量的に測定していて、社会への影響を客観的に示すことができている点も評価する意見が多くあがった。
加藤孝治氏(日本大学大学院総合社会情報研究科教授)は「広大な店舗網を活かすことで、フードドライブの取り組みを多くの地域で実現させている点が高く評価できる。コンビニエンスストアはフランチャイズビジネスであるがために、取り組みが一部地域や店舗に限定されがちであるが、ファミリーマートは多くの加盟店の協力を得られる仕組みづくりができている。また協力パートナー企業も多く、取り組みが社会的に高く評価されているものと捉えられる」とコメントした。