オイシックスらが行うフードパントリー活動が、サポート企業を50社以上に広げられた理由
物流・配送の手間を減らしサポート企業増やす
オイシックス・ラ・大地の活動で注目したいのが、サポート企業の輪を大きく広げている点だ。活動開始間もない21年12月時点では18だったが、23年9月時点ではネスレ日本、井筒まい泉、デルタインターナショナルなどが加わり、計55に増えた。連携する支援団体も、23年9月時点で60にのぼる。
当初は缶詰・レトルト食品など常温の食品に限定して配送を行っていたが、現在では一部の自社倉庫、メーカーから冷凍食品を支援団体に直接届ける動きも生まれている。
短期間で協賛企業を増やすことができた一因となったのが、企業側の負荷を減らすサポートの仕組みだ。
近年では大手食品スーパーや食品メーカーの間で、包装の破損や過剰在庫などにより、店頭で販売できなくなった食品を、関連団体や困窮世帯に無償で提供する傾向が強まっている。
こうした活動を行う企業にオイシックス・ラ・大地が課題をヒアリングしたところ、多く挙がったのが支援団体への食品の納品、配送だった。とくにメーカーの規模が大きくなるほど、寄付する食品が数千個単位にのぼることもあり、受け入れ先を探すのに苦労する傾向がみられたという。
この課題を受けて「WeSuppotFamily」は活動企業の苦労を請け負う方策を考えた。協賛企業はまず、神奈川県川崎市にある事務局の食品倉庫に食品を納品する。その後、事務局が各支援団体との間でマッチングを行い、支援先のニーズに合わせて送り先を決定する。受取日時、数量、物流などの調整も、事務局側で行っている。
オイシックス・ラ・大地、コーポレートコミュニケーション部部長の大熊拓夢氏は「企業からすると、支援団体の開拓や、複数の納品先の調整は不要で、効率的に困窮世帯への支援を行うことができる。