データ分析の基礎学習は”筋トレ”であると言える理由
先日、知人から「売上が想定よりもよくない商品があって、パッケージデザインが原因かもしれないと上司に指摘されました。どこか改善すべき点はありますか?」と唐突なSOSを受けました。マーケティングデータを重視する企業だったのでその相談に少し驚きつつ、詳しい状況を聞いてみると、「リピート率が競合する商品の半分程度なので、パッケージに問題があるのではと考えました」とのことでした。
この仮説の立て方はかなり粗く、論理的な整合性も欠けています。リピート率の低さがパッケージデザインに直結するとは限らないからです。読者の皆さんからしても、「分析以前の問題だろう」と思われるかもしれません。しかし、データ分析が進んでいるとされる企業でも、こうした事態はよく起きるようです。
「そもそも」の視点で問題の本質を探る
配荷(店頭カバー)率やリピート率が競合よりも低いと、それ自体が問題に見えるかもしれません。ただ、それが問題の本質なのかを再考する必要があります。たとえば「低い」といっても、何に比べてどの程度低いのか。配荷率であればどのチャネルや地域の話なのか。
リピート率だけでなくトライアル(新規獲得)率に問題はないのか。競合とみる企業や商品は本当にベンチマークすべき対象なのか。こうした「そもそも」の視点で、自問自答しつつ現状を把握するのです。
混乱したときほど基本に立ち返ることが重要です。ビジネスパーソンであれば、問題が見つかれば当然、その解決法を考えなければなりません。そこで多くの人は「課題解決法」や「問題解決のステップ」などに関する本を読んだり、研修を受けたりしてスキルを獲得していると思います。
たとえば問題解決のステップは、①問題の特定(問題解決のスコープを決める→問題を絞り込む→論拠をもとに問題を特定する)、②原因の深掘り、③問題解決のための打ち手の検討、というものです。しかし