4月から「営業・販売」を始める新入社員が知っていると「気持ちが楽になる」仕事の心構えとは
突然だが、あなたはセールス、販売が得意ですか? それとも苦手ですか? 「営業や販売は実績を上げなければいけないのはわかっているんだけど、いつも思うような結果が出なくてどうしたらいいのかわからない」。もしくは、「セールスをしたことがないけれど、この春からしなければならない、あまりしゃべるのも得意じゃないし、すごく不安だ」。そんな悩みを抱えていないでしょうか?
「『セールス=辛いもの、お客さまに嫌がられるもの』というのは、実は『いかがですか?と売り込まないとお客さまは買ってくれないに違いない』という認識と同じくらい、間違った思い込みです。相手から感謝されるセールスのやり方を知らないだけなんです」。このように説明するのは、年間100回以上セールス研修をする研修講師であり、アジアトップ10のセールスコンサルタントに選ばれた成田直人氏。その極意の一端とは。※本稿は、成田直人著『自動で集客、疲弊しない!勝手に売れ続ける最高のセールス』(ダイヤモンド社刊)の一部を抜粋・編集したものです。

「売り込む」のが上手な人を真似しても
あなたには再現できない
実は営業や販売で成果がでない理由は、お客さまを思う「優しい気持ち」が邪魔になっている場合が多いのです。
「えっ?どういうこと?」と少し混乱させてしまったかもしれません。
もちろんお客さまに喜んでもらえるのは嬉しいし、頼られるようになると気分も上がります。でも、そんな気持ちになれるのは1000回セールスをして1回得られるかどうか。999回は相手に嫌な顔をされながら断られることの繰り返し……
「セールスってそういうもの」だと思っていませんか?
いいえ、違います。あなたが未体験なだけで、お客さまに感謝されて売れまくる理想のセールスがあるんです。
この売り方に気付けないと、「気合いと根性があってストレス耐性が高い人だけが結果を出せる」という思い込みを消すことができません。
一般的なクロージング主体のセールスは、お客さまのことを考えずに「売る」ことだけがゴール。他者への貢献よりも自分が得をすれば良いという前提があります。だから、相手に断られても気にせずに、“売り込む”ことへの高いモチベーションを持ち続けることができるのです。
あなたは、どうですか?
「そんな鋼のようなメンタル、私には無理……」
はい、それが普通だし、そのままで良いです。
お客さまに対して強引にセールスをする自分も嫌いだし、嫌な顔をしているお客さまの顔を見るのも複雑な気持ちになりますよね? 私も100%同意です。
「ゴリゴリに売り込みをかける」営業は
選ばれし“メンタル強者”だけができること
これまでの一般的なセールスといえば、以下の2パターンでゴリゴリに売り込みをかけるというものでした。
- 購入を検討しているお客さまに対して:
自社商品の提案をし、他社商品との比較で悩んでいるお客様に対して他社を否定し、畳み掛けるように台本に沿ってトークを展開して強く売り込みクロージングをかける
- まだ購入検討段階に至っていないお客さまに対して:
まだ商品に興味を持っていなくても、手にすればきっと役に立てるという前提のもと、商品提案し、他社に流れないように即決に持ち込み逃げられないようクロージングをかける
つまり、ニーズがあろうがなかろうが、とにかく売り込んで押し切る、という売り方です。このセールス手法を採ると短期的には成果が出ても、離職者が続出してしまい、ごく一握りの“メンタル強者”しか残りません。人手不足時代に、人を使い捨てにするセールス手法なんです。