青果部門が迎える新局面……安定供給と差別化のカギは、小売起点の流通改革!
生産者支援に乗り出す動きも
また、消費者が求める商品の供給網を構築・維持するために、川上にさかのぼり、生産者との「協働」を進めるSMもある。
山梨県を中心にSMなど47店舗を展開するオギノ(山梨県/荻野雄二社長)は、23年11月に青果卸の甲府青果(山梨県/五味良夫社長)を子会社化。卸機能を内包して安定供給や商品開発のスピードアップを図るほか、生産者とのコネクションがより広がったことで、生産者の抱える課題解決にも取り組んでいる。
その一例が、規格外野菜の活用だ。オギノでは、これまで生産段階で廃棄されていた規格外野菜を仕入れ、PBのカット野菜や加工食品の原料への転用を進めている。これまでに、規格外の梅を「訳あり南高梅」の徳用商品として加工・販売したほか、メーカーとの連携で規格外のいちごをジャムに加工して販売した。
また、先述の原信・ナルスも生産者の環境改善に取り組んでいる。その一例が「無選果リンゴ」の販売プロジェクトだ。同社は、リンゴ農家が収穫だけでなく、大きさや色付き、傷の有無などの確認・選別に膨大な時間を要している問題に着目。見た目に多少難があっても食味のよいリンゴを「無選果リンゴ」として販売することで、選果作業の負担を抑えながら、生産者の収入と供給量の向上を実現している。
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