ヤオコー、ベルク、マミーマートの埼玉3強はなぜDS業態まで手掛けるのか?
ヤオコーはブルーゾーンHDに再編
クルベは新たな検証段階に?
ヤオコーのDS業態は、神奈川にエイヴイ、埼玉にフーコットとグループ企業が担っています。今年10月にはブルーゾーンホールディングスを設立してHD制に移行、ヤオコーとの親子関係は事業会社同士の兄弟関係に変わり、食品スーパー業態とDS業態を展開するグループという構図が明確になります。
HD制に移行する趣旨として、各事業会社が独立運営で自律的な成長をめざすとしています。これまでの路線に沿った方針であり、ヤオコーとせんどうは食品スーパー業態として、エイヴイとフーコットはDS業態として、エリアもすみ分けながら成長を図るものと思われます。
ベルクがDSフォーマットとして検証を進める「クルベ」は、既存店を転換した群馬県内の2店舗に続き、2月15日に新店として「北入曽店」(埼玉県狭山市)がオープンしました。昨今テレビなどの露出も増えつつある同業態ですが、出店戦略上の位置付けは未知数です。ただ、「北入曽店」は初の新店であると同時に、あえてヤオコーやビッグ・エーと隣り合う立地に出ており、新たな検証段階に入ったことは間違いなさそうです。

食品スーパーとDSの同時展開は、埼玉・千葉ならでは?
ヤオコー、ベルク、マミーマートの3社が、食品スーパーとDSの2業態を展開するのは、同業のライフコーポレーションやオーケー、サミットといった都内を中心とするチェーンとは対照的です。都内のチェーンは別業態の多店舗化を試みません。ライフはビオラルを拡大していますが、あれは専門店の領域であって、DSに取り組むのとは意味合いが異なります。
この違いは、埼玉・千葉を中心にドミナントを構築していることと無関係ではないでしょう。このエリアは、食品スーパーもドラッグストアも、大型店を開設する余地が都内より豊富にあります。
たとえばコスモス薬品の店舗数は、東京11店に対して埼玉30店・千葉27店です(25年1月末)。それも都内は、調剤やインバウンド対応店なども含まれ、同社標準のメガドラッグストアの数はさらに限られます。埼玉・千葉は食品スーパーに適した物件がある一方、食品DS型のドラッグストアも多く出店しています。
店を出せるだけではありません。まとめ買いしやすいクルマ中心の生活スタイルもDS向きです。とはいえ、価格競争が激しいだけのエリアでもありません。関東以外の地方と違って、人口増加中の街は多く、子育て世帯も多くいます。食品スーパーの需要が高い市場環境であり、そのことが既存店の好調とハイペース出店を支えます。
主力フォーマットを増やしつつ、そのドミナント内に出てくる競合DSに対しては、自らもDSを持つことで対抗できます。同時に、自社の店舗間のすみ分けや、競合スーパーへの局地的な対抗策としてもDSは有効活用できます。自社も他社も大型店を出し続けるエリアだからこそ、2業態の同時展開の必要性が出てくるように思います。