13期連続増収中!菓子のSPA、シャトレーゼの勝ち続ける戦略とは

2023/11/13 05:59
上妻 英夫(KIプレス)
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13期連続で売上増を達成中―― 和・洋生菓子、焼き菓子、アイスクリーム、パンなどの製造小売業を手掛けるシャトレーゼ(山梨県)が元気だ。現在、菓子専門店を国内約800店、海外190店を展開し、急ピッチで出店を進めている。1954年創業のシャトレーゼはなぜ繁盛するのか?齋藤寛会長率いるシャトレーゼの勝ち続ける独自戦略に関心が高まっている。

YATSUDOKI新宿御苑
YATSUDOKI新宿御苑店

 「おいしくて安い」を実現するSPA                                                  

 シャトレーゼが急伸している理由はどこにあるのか。2年前に、齋藤寛会長の著書「シャトレーゼは、なぜ『おいしくて安い』のか」で語られている通り、現在も連続で売上を伸ばし続け、勝ち続ける独自戦略を貫いている。

 シャトレーゼの人気の秘密を探るために店舗に足を運んだ。数多くの商品(約400種類)が並べられ、販促のチラシやポスターなど余計なアピール文は目にしない。「おいしくて安い」というのがお客に支持される一番の理由だという。シャトレーゼは「品質にこだわりながら手ごろな価格で提供する」ことを重視し、これを実現するために、自社で原料調達から販売まで一貫して手掛けている」。さらに、「材料を産地や契約農家から自社工場へ直送して製造し、店舗へダイレクトに配送する。中間業者を通さないで、お値打ち価格を実現している」という。

 「おいしくて安い」を実現するために、今、力を入れているのは、製造拠点の拡大だ。各店の商品補充が追い付かないほどで、客数の伸びと商品供給のバランス確保が急務となっている。

 2024年度中に、岡山県、山形県、鹿児島県の3カ所に新工場を稼働させることを発表している。これで国内の生産拠点はグループも含めて13カ所になる。生産拠点を増やし、各店舗に鮮度の高い商品を届けやすくするために、新工場戦略はまだ続く。ポイントは、「おいしくて安い」を提供するために、新工場も投資コストを抑えている点だ。パチンコ店や自動車部品工場跡地などの既存の建物を利用する居ぬき物件を利用しているのである。

 同社は「シャトレーゼ」と「YATSUDOKI」の2つの店舗ブランドを持つ。20199月、銀座に新業態「YATSUDOKI」を立ち上げた。都市型立地で焼き立てと作り立てを提供するために工房を設置した店舗である。全国に24店舗を展開する高級志向のYATSUDOKIは、贈答品として「おいしくてリーズナブル」「高いから価値がある」をねらっている。

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