ブランドリユースのコメ兵、1年で80店舗の強気出店の理由とは?
ブランド品リユース大手のコメ兵ホールディングス(愛知県/石原卓児社長)は6月14日、2023年度の戦略説明会を都内で開催した。リユース市場が成長を続けるなか、同社は23年度内に店舗を大幅に増やす目標を掲げる。本稿ではリユース市場の現状とコメ兵ホールディングスの戦略や取り組みについて解説する。
買い取りを重点的に強化
コメ兵ホールディングスは傘下にコメ兵(愛知県/石原卓児社長)、K-ブランドオフ(石川県/山内祐也社長)などを抱え、国内外でブランドファッションを中心としたリユース事業を展開する企業だ。同社は23年度の戦略において、買い取りを強化する姿勢を強調した。
具体的には、23年度中に、コメ兵が運営するリユースショップ「KOMEHYO」の買い取り専門店(23年3月時点の既存店は87店舗)を新たに30~40店舗増やす計画だ。その後も年間15~20店舗を新規出店するとしている。
ほかにも23年度中に、K-ブランドオフが運営するリユースショップ「BRAND OFF」の買い取り専門店(既存店は23店舗)のうちフランチャイズ運営店(既存店は16店舗)を新規で40店舗出店し、24年度にはフランチャイズ運営店を100店舗体制にする計画だ。「KOMEHYO」と「BRAND OFF」を合わせて80店舗の買い取り専門店の出店を予定している。
同社の相場予測によると、主力商材のほとんどが今後も相場が上昇する想定だという。たとえば中古でしか手に入らないヴィンテージアイテムが人気の「ブランドジュエリー」は価格高騰を続けており、「腕時計」も人気アイテムの需要過多で相場が右肩上がりに推移。「ブランドバッグ」や「ブランドファッション」はインバウンドで需要増が期待できるほか、希少性の高いアイテムは相場上昇の可能性が高い。
こうした市況を踏まえ、コメ兵ホールディングスの石原卓児社長は「買い取った商品の多さが、そのまま会社の強さや大きさにつながる。リユースショップを運営する当社の成長速度は、仕入れにかかっている。国内における成長戦略の中心は買い取りだ」と説明する。
買い取った商品を販売する小売事業においては、販売店の出店を拡大する。今後は渋谷や横浜、札幌、大阪、福岡など全国に「KOMEHYO」の買い取り併設の大型店舗をオープンする計画だ。石原社長は「現状では、当社が仕入れた商品のうち半分を在庫として抱えている状態。売上を拡大するため販売店の出店を加速させ、当社の全店に占める販売店の構成比をあげたい」と語る。
また、コメ兵ホールディングス傘下のKOMEHYOオークション(愛知県/沢田登志雄社長)やK-ブランドオフが運営する法人向けのオークション事業も強化する。コロナ禍で中止になっていたリアルオークションが復活し、東京と金沢で毎月1回ずつ行う。さらにKOMEHYOオークションが開催するネットオークションは23年4月、海外からの入札が可能になった。