ファミマ の無人決済店舗1000店にみる、コロナ禍で 2極化するコンビニの成長戦略
全国2万超の店舗を持つ
郵便局とも連携開始
さらにファミリーマートは10月29日、日本郵便(東京都)と、郵便局内に無人決済店舗を出店するなどの新たな取り組みで連携を開始すると発表。同日、埼玉県川越市の郵便局内に1号店をオープンした。来店客向けロビーの約15㎡という極小スペースでおにぎり、パン、菓子、雑貨など約350SKUを販売する。
現在、日本国内の直営の郵便局数は2万3794店(21年9月:簡易郵便局3725店を含む)。うち日本郵便は20年7月から全国約8500の郵便局にキャッシュレス決済の導入を順次進めている。郵便局のキャッシュレス決済化の推進は、無人決済店舗との親和性を高め、無人決済店舗の導入を後押ししていきそうだ。
また、郵便局はもともとコンビニと異なる立地で出店していることが多く、ファミリーマートにとっては新たな客層を獲得できるメリットもある。
これまでコンビニは大量出店により成長を遂げてきたが、人口減や店舗間競争、さらには新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大下でのリモートワークや外出自粛生活の広がりにより、これまでのような新規出店が難しくなっている。こうしたなか、小商圏でも収益化できる新たな店舗モデルを構築し、マイクロマーケットを掴むことは、成長のための次の一手になるだろう。
マイクロマーケットの開拓は、コンビニ業界でもかつてより指摘されていながら、なかなか新しいモデルの確立、水平展開が進んでこなかった。しかしここにきてファミリーマートが、TTGと提携することで業界を一歩リードする動きを見せている。
TTGはJR東日本グループのオープンイノベーション拠点であるJR東日本スタートアップ(東京都)と、AIを活用したイノベーション事業を展開するIT企業のサインポスト(東京都)の2社が設立した合弁企業だ。同社が持つ駅ナカ・駅チカ物件のネットワークやIT技術を生かすことで、スピーディかつ柔軟な出店、店舗モデルの構築を進めている。