コロナ禍で会員急増!フードロス解消サイト「クラダシ」がECからリアルへ、販路拡大の背景とは
IPOも視野に「1.5次流通」をさらに進化
ECからリアルへと販路を展開する中で、「消費者との接点を持つ小売業の皆さまともWin-Winの協業を構築していきたい」と関藤氏は意気込む。
「たとえば、食品スーパーも同様に余剰在庫の問題を抱えています。しかし、賞味期限が近付いた商品を安売りで販売すると、そのスーパーのブランドを毀損しかねません。そこで、クラダシが余剰在庫を引き受け、『社会貢献団体への寄付』のスキームを通して販売することで、社会貢献の形で在庫を解消し、風評リスクを避けるお手伝いができると考えています」
さらに、食品業界にとどまらず、百貨店や不動産など様々な業務提携の可能性を模索している。2021年10月22日からは、「丸井錦糸町店」の店頭で「食品ロス削減月間」に合わせた「KURADASHIフェア」を開催する。
「SDGsの機運が高まる中で、何に取り組むべきか悩んでいる企業は少なくありません。そこに対して、クラダシがフードロスの削減や未来のエシカル消費につながる形で、企業のサステナビリティへの取り組みを支援できる余地はあると考えています」
2019年には食品リサイクル推進法が制定され、食品・小売業界全体にとってますます看過できなくなったフードロス問題。社会的な関心も高まる中、クラダシは2020年にIPOを目指すことを公言し、この先を自社の「第二創成期」と位置づける。社員数もこの1年でほぼ倍増するなど組織体制も大幅に強化した。
主軸であるEC事業でさらなる成長が期待されるクラダシ。加えて、今後はリアルのマーケットでどのように「1.5次流通」の形を進化させていくのか。そこにも注目だ。